作品名 |
ヴェノナ 解読されたソ連の暗号とスパイ活動 (VENONA) |
著者名 |
ジョン・アール・ヘインズ&ハーヴェイ・クレア (John Earl Haynes & Harvey Klehr)
(監訳:中西輝政 訳:山添博史、佐々木太郎、金自成) |
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発行日:2010.2.12
出版社:PHP研究所
形式:A5 |
目次
序章 「ヴェノナ」への道
第1章 「ヴェノナ」と冷戦
第2章 暗号解読
第3章 アメリカ共産党の地下組織
第4章 ゴロス=ベントリー・ネットワーク
第5章 ルーズベルト政権中枢に喰い込んだソ連のスパイたち
第6章 ソ連軍情報部の対米スパイ活動
第7章 アメリカ政府機関別に見るソ連スパイの浸透
第8章 「同胞」たち
第9章 アメリカ大陸における反スターリン分子の追跡
第10章 産業スパイ・原爆スパイ
第11章 ソ連の諜報活動とアメリカの歴史(結論) |
ストーリーの概要 |
「ヴェノナ」とは、1943年にアメリカが始めたソ連の暗号傍受・解読作戦の名称である。本書は「ヴェノナ」解読文書の元となった通信文から、ソ連のスパイ活動の全貌を暴。
東西冷戦後、原著者らの努力で「ヴェノナ作戦」の成果が公表され、世界中の歴史家に衝撃を与えた。
第二次世界大戦時の同盟国ソ連が百人単位の規模でアメリカにスパイを送り込み、外交、軍事、産業上の機密情報をことごとく盗み出していたことが分かったからである。当時のルーズベルト政権は、完全にソ連の工作の影響を受けていた。
そしてアメリカの軍事機密がソ連に筒抜けだった事実は、日本にとって何を意味するか。
ソ連はアメリカの原爆プロジェクト「マンハッタン計画」を事前に把握しつつ、1945年8月6日の広島への原爆投下を見届け、
同月8日に対日戦線布告を行ったということである。 |
暗号について |
序章 「ヴェノナ」への道
・ 浮上したヴェノナ作戦 ・ NSAの秘密主義
・ ヴェノナの公開に踏み切るべきだ ・ ヴェノナが歴史の空白を埋めた
第1章 「ヴェノナ」と冷戦
・ 理論上は解読不可能なソ連の暗号 ・ 衝撃の解読内容
第2章 暗号解読
* ソ連の暗号はいかにして破られたか
・ 早期に解読されたコミンテルンの通信
* ソ連諜報機関の暗号システム
・ 「ワンタイム・パッド」による暗号化 ・ コード(語句暗号)とサイファー(換字暗号)の実例
* 暗号システム運用の妥協から生じたアリの一穴
・ 理論上は完全だが運用が困難 ・ わずかな複製キーページを作ったことが致命傷に
・ ソ連の予想を超えたNSAの組織力と暗号解読の技能 ・ フィンランド・日本経由で伝わった解読のヒント
・ 「ヴェノナ作戦」始動 ・ 複製のキーページを発見
・ コードブックの壁を破ったメレディス・ガードナー ・ NSAとFBIの協力がカバーネームを特定した
・ カバーネームにおける安全軽視 ・ 政治家を目覚めさせたオーストラリアでのスパイ発見
・ アメリカの防諜の試金石に
* 「ヴェノナ」の実証史料としての価値
・ 「ヴェノナ」を疑う人々への反論
* 「ヴェノナ」を裏付ける証拠:モスクワで公開された公文書
・ KGB現場諜報官は架空の徴募をなしえたか
* ズビリン事件
・ソ連のスパイを告発する謎の手紙 ・ カチンの森事件への関与を正しく指摘した
・ FBIによる在米コミンテルン組織の捜査
* ソ連はいつ「ヴェノナ作戦」のことを知ったのか?
・ カリーの密告とソ連暗号体制の対応 ・ ホワイトハウス内部からの妨害工作
・ ワイズバンドの密告とFBIの捜査 ・ フィルビーのソ連への密告
・ ついに明らかになった「ホーマー」の正体 ・ 解読の程度までは知らなかった |