暗号戦史
「イ行 作品」
作品名 インテリジェンスと恐怖の報酬     (「諸君:2007.2号」所収)
 「国家情報論」番外編: ウルトラ、ヴェノナ、エシュロン、マスクすら知らない日本でいいのか
著者名 北岡 元、小谷 賢、中西 輝政
発行日:2007.2
出版社:文芸春秋
形式:雑誌
目次
「なし」:対談
ストーリーの概要
声高に叫ばれ始めた「インテリジェンス」だが、ことの本質を見誤るとしっぺ返しが・・・
・なぜ「インテリジェンス」か
 国益に繋がる:日本版NSC創設の必要性。日本人にも危機意識の高まりが出てきた。漸く議論が出来るようになった。
・「馬草を食わされる」歴史家
 約30年ほど前は、インテリジェンス研究は、「危険」、「スパイ研究」と取られた。
 外交文書の「裏」と「表」:裏に隠されている意味の考察。歴史家は都合の良い公文書と調教により偏ったものを書いている。
 新公開文書:南部仏印進駐は従来、日米関係のみ中心だったが、実はその背後でイギリスが暗躍していた。・・・
・20世紀歴史の4大ファクター
 20世紀の歴史は、ウルトラ、ヴェノナ、エシュロン、マスクを知らなければ、理解できない。
 外務省の体制は?:国際情報局の新設は画期的な進歩。・・・現「国際情報統括組織」・・・実際は成功していない?
・イギリスは先生、アメリカは生徒
 英の情報機関は米の10分の1位の人員・予算で対等。
 米は、未だにイギリスのコンプレックスを抱いている。
・いかに有用な情報を集めるか
 日本はイギリスの情報体制を見習った方が良い。
 中途半端な人員組織ではダメ。
 「ヒュミント」、「イミント」、「シギント」の組み合わせ
 「ゼロサム」ではなく「プラスサム」で
・情報機関の暴走をどう防ぐか
 機密保護の法制整備
 情報機関の暴走に対する体制整備・・・・国会議員、役人、国民がもっとインテリジェンスを勉強すること
暗号について
・太平洋戦争における米の大勝利は、日本の暗号を解読したから。「暗号解読」といういわば散文的な営みこそが、世界の行方を決するほどの重大事だったことを日本人はもっと真剣に評価すべき。
・「ウルトラ」:ドイツが使用していた「エニグマ」暗号をイギリスが解読した情報
 「ヴェノナ」:40年代において、ソ連情報部がアメリカ国内からモスクワ本部に報告する電報を解読したNSAの記録文書
 「エシュロン」:米中心に英語圏の国で運営されている通信傍受システム
 「マスク」:コミンテルンの暗号通信を英情報部が傍受解読した情報
・シギント
 防衛省情報本部の大半が、通信傍受の分野に割かれている。傍受の範囲は国内及び近隣諸国
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