暗号戦史
「カ行 作品」
作品名 海軍少年電信兵
著者名 海軍通信学校第五十二期記念出版委員会
発行日:昭和56年5月27日
出版社:非売品
形式:A4(200P)
目次
第1編 海軍の無線通信に関する教育 
第2編 海軍少年電信兵(掌電信兵・偵察電信兵)
第3編 太平洋戦争における海軍無線通信の実録
第4編 太平洋戦争の実録
第5編 同期生の体験記
第6編 戦後の同期生
第7編 第五十二期普通科電信練習生(掌電信・偵察電信)
第8編 付録
ストーリーの概要
海軍通信学校第52期は、昭和14年6月志願兵として海軍に入隊、基礎的軍事教育を受けた後、同年9月、海軍通信学校に掌電信兵及び偵察電信兵として、千百余名が少年兵として入校した。卒業後は、支那事変から太平洋戦争へと参戦し、昭和20年8月終戦を迎えた。
その少年時代をどのように生活し、教育と訓練を受け、当時としては最も若かった10代の海軍軍人として、作戦中枢にあって、無線通信技術を発揮し、困難な広範な戦域で重要な作戦通信業務を激務に耐え、任務を遂行したか等、少年電信兵としての足跡を記録したものである。
特に、少年電信兵の志願兵制度と由来、少年電信兵の年次入校者数、採用状況、海軍通信学校における教科目と内容、各種モールス符号、通信諸記録、暗号関係資料、通信機器種類及び配線図等、貴重な資料集でもある。
また、資料としては、少年電信兵に関するもののみならず、海軍全般の基礎的資料も網羅されている。
暗号について
・海軍における作戦通信において暗号運の養成及び技術向上が重要となり、海軍通信学校に昭和18年3月亜から暗号練習生教程が新設され、専門教育を行うことになった。昭和19年7月1日、更に横須賀通信学校豊川分校を新設し、本格的暗号員の教育を開始した。

・海軍通信科の細部編成:通信隊、艦隊、航空隊ともに暗号部がある。

・機器の一覧表の中に、電信暗号機として「九七式和文印刷機」「九七式欧文印刷機」を列挙。

・第3編第9項に「海軍通信諜報」
 特に大和田通信隊を中心として敵の通信傍受、暗号解読を実施した。

・第3編第11項に「海軍の暗号通信」
 (1)暗号の経緯
   「敵艦見ユ」「海軍暗号の近代化」「ワシントン軍縮会議」「水漬く暗号機」「傍受施設、解読装置」
 (2)海軍暗号書及び暗号機器
   「戦略常務用」「戦術用」「情報用」「部外共用」「雑用」「略語及び呼出符号」「暗号機器」「その他」
 写真:電信機現字機、エニグマ暗号機、海軍暗号書(発信用、翻訳用)、乱数表、

・第3編第13項に「要員の充実と諸施策」
 (1)電信兵及び暗号員の要請
   暗号員の定員と現員、電信員と暗号員のアンバランスを指摘
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