暗号戦史
「カ行 作品」
作品名 海軍甲事件          (「海軍乙事件」所収)
著者名 吉村 昭
初出:別冊文芸春秋135号:S51.3

発行日:昭和51年7月30日
出版社:文芸春秋
形式:四六版
目次
「なし」
ストーリーの概要
1943年4月18日、連合艦隊司令長官山本五十六大将がソロモン諸島の最前線視察のため、一式陸攻に搭乗して移動中、米軍機の待ち伏せ攻撃を受けて戦死した出来事を「海軍甲事件」と呼称していた。
吉村氏は、山本長官を直掩していた零戦6機の飛行士で、生存していた柳谷氏に取材し、何故、山本長官が米軍戦闘機に無様に撃墜されたのかを語っている。
暗号について
長官一行が、撃墜された原因のひとつとしてアメリカによる暗号解読によるものと検討されたが、4が1日に乱数表を変えたばかりなので、半月で敵が解読できるはずがない。更に、南東方面艦隊司令長官草鹿中将の視察を装う電報を発信し、敵の反応を見たが、何の兆候もなかったこと等から、アメリカによる暗号解読はなかったと結論した。しかし、戦後のアメリカの公表により暗号解読は事実であった。
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