暗号戦史
「カ行 作品」
作品名 海軍乙事件
著者名 吉村 昭
初出:別冊文芸春秋123号:S48.3

発行日:昭和51年7月30日
出版社:文芸春秋
形式:四六版
目次
「なし」
ストーリーの概要

吉村氏が取材したドキュメンタリー。太平世戦争中の総和19年3月31日、パラオからダバオへ移動中、連合艦隊司令長官古賀大将の搭乗機と福留参謀長の搭乗機が撃墜された事件。
特に福留参謀長の2番機は、セブ島沖に不時着し、搭乗していた福留参謀長以下の連合艦隊司令部要員9名がゲリラに捕虜にされた事件。
機密書類等が敵に盗まれたにもかかわらず、十分な調査もせず、有利に解釈し、海軍軍令部は、参謀長以下を不問に付し、後に昇任させる等甘い判断をしている。
古賀長官の殉職はすぐに国民には知らされず、同年の5月5日に発表された。作戦計画書等の機密文書はのちに米軍の手に渡り、その後の作戦に甚大な影響を与えた。暗号書類は戦後公開されたアメリカの公文書の中から発見されている。

暗号について
撃墜された2番機に搭乗していた福留中将が携行していたZ作戦計画、艦隊司令部用信号書、暗号書が敵の手に渡った。しかし、海軍は、それを認めず、海中に沈んだと結論付け、暗号書の更新を行わなかった。戦後公開された米の公文書により、作戦計画、暗号書等が米国に渡っていたことが事実であることは判明している。
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