暗号戦史
「ケ行 作品」
作品名 検証・真珠湾の謎と真実  ルーズベルトは知っていたか
著者名 秦 郁彦 編
初出:2001.7;PHP研究所

発行日:2011.11.25
出版社:中央公論社
形式:文庫
目次

第1章 真珠湾陰謀説の系譜  須藤眞志
    ―ルーズベルトの対日政策と修正主義
第2章 真珠湾を「予知」した男たち 
第3章 通信情報戦から見た真珠湾攻撃 左近充尚敏
第4章 スティネット『欺瞞の日』の欺瞞 秦 郁彦
ストーリーの概要
 今なお残る真珠湾攻撃におけるルーズベルト陰謀説。
 ルーズベルトは日本の「真珠湾攻撃」を本当に知っていたのか。日米の情報戦や戦略について、様々な資料や当事者の証言を精査し、4人の戦史専門家が真珠湾の真実に迫る。

目次の細部
第1章 真珠湾陰謀説の系譜―ルーズベルトの対日政策と修正主義 : 須藤眞志
 ・ルーズベルト陰謀説の背景
 ・太平洋戦争直前の世界情勢
 ・陰謀説の系譜
 ・ABCD包囲陣を検証する
 ・大西洋会談の密約
 ・ハル・ノート陰謀説
 ・三隻の小船を用意せよ
 ・キンメルとショートの名誉回復問題
 ・ルーズベルト陰謀説の矛盾
第2章 真珠湾を「予知」した男たち  : 今野勉
 ・予知説の真偽
 ・二重スパイのポポフ
 ・トーランドが探しだした「予知者たち」
 ・検証―キルスー・ハーンの場合
 ・検証―ラネフト大佐の場合
 ・検証―ミスターZの場合
 ・検証―テル・ポールテンの場合
 ・ラスブリッジャーの「裏切り」
 ・何かを探していたルーズベルト
第3章 通信情報戦から見た真珠湾攻撃  : 左近充尚敏
 ・日本の暗号はどこまで読まれていたか
 ・機動部隊と通信情報
 ・戦後解読された暗号からわかる日本海軍の動き
 ・真珠湾奇襲成功の要因
第4章 スティネット『欺瞞の日』の欺瞞   : 秦 郁彦
 ・アメリカのベストセラー日本に上陸
 ・スティネットという人物
 ・マッカラム・メモの記述を検証する
 ・「機動部隊は無電封止を破った」のか?
 ・無電封止は守られていた
 ・飛び交った偽電
 ・マッチ・ポンプの手法に惑わされるな
 ・私の真珠湾像
暗号について
諸所に暗号、暗号解読の件は出てくるが、主要なものを挙げる。

第2章 真珠湾を「予知」した男たち  : 今野勉
 ・検証―ミスターZの場合
  ・日本の新しい信号の発信地はハワイの北西
  ・無線封止は守られていた
  ・日本の機動部隊を捉えた男として有名に
 ・検証―テル・ポールテンの場合
  ・暗号解読で太平洋海域での奇襲を警告
  ・日本大使館あての暗号は解読されていた

第3章 通信情報戦から見た真珠湾攻撃  : 左近充尚敏
 ・日本の暗号はどこまで読まれていたか
  ・暗号文が原則の軍用通信
  ・解読されていた外務省の暗号
  ・パープル暗号機は複製されていた
  ・外務省の油断
  ・真珠湾の情報収集に気づいていた米海軍
  ・12月2日外務省は領事用暗号を変えた
  ・ウインド・メッセージはいつ放送されたのか
  ・日本の海軍暗号
  ・人手不足で進まなかったJN-25bの解読
  ・一貫性を欠くスティネットの「欺瞞の日」
 ・機動部隊と通信情報
  ・攻撃企図は厳重に秘匿された
  ・方位測定を避けるための無電封止
  ・ 「ヒトカップ湾メッセージ」から「欺瞞の日」を検証する
  ・暗号文には平文は入れない
  ・ワシントンはハワイ防空を忘れていた
  ・東条内閣誕生で深まる懸念
  ・11月24日「空母は所在不明」
  ・日本の奇襲攻撃を警戒
  ・11月26日ハル・ノート手交
  ・警戒の焦点は東南アジア
  ・12月2日「ニイタカヤマノボレ」
 ・戦後解読された暗号からわかる日本海軍の動き
  ・機動部隊編成の手掛り
  ・太平洋進出を判断する手掛り
  ・攻撃時機を特定する手掛り
 ・真珠湾奇襲成功の要因
  ・アメリカはJN-25bを解読できなかった
  ・秘密保持に細心の注意を払った日本
  
第4章 スティネット『欺瞞の日』の欺瞞   : 秦 郁彦
 ・「機動部隊は無電封止を破った」のか?
  ・一日平均6.3通の電波が飛び交った?
  ・「傍受」と「解読」を取り違えている
 ・無電封止は守られていた
  ・一度だけ電波を出したと云う噂の出所
 ・飛び交った偽電
  ・アメリカの裏をかく大規模な偽電工作
 ・マッチ・ポンプの手法に惑わされるな
  1 無電の「傍受」と「解読」をすりかえている
  2 終戦後の「解読」を真珠湾攻撃前だったかのように、すりかえている
  3 「著者のファイル」への逃げ込み
  4 マッチ・ポンプ、両論併記の手法を多用している
  5 キンメル、ショートの二人を除く米側関係者のほぼ善因が大統領の陰謀に加担
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