暗号戦史
「キ行 作品」
作品名 消えた潜水艦イ52
著者名 新延 明、 佐藤 仁志
発行日:1997.8.25
出版社:日本放送出版協会
形式:四六判
目次

序章 ヨーロッパの日本潜水艦
第1章 半世紀ぶりの発見
第2章 暴かれていたイ52の任務
第3章 イ52がもち帰ろうとした最新技術
第4章 繰り返された訪独潜水艦作戦
第5章 無事帰国したイ8
第6章 日本の技術力
第7章 金塊二トンの謎
第8章 イ52消息を絶つ
第9章 イ52撃沈の全貌
終章 宝船作戦のその後

 
ストーリーの概要
95年3月、大西洋の深海において発見された旧日本海軍の潜水艦イ52。
七人の同乗民間人の使命、謎に包まれた任務と積荷、連合軍との追跡戦など、公開された米資料から消えた潜水艦の運命を探る。
日本から同盟国ドイツへ向けて、合わせて五隻の潜水艦が出航した。あるものはドイツに無事到着したものの、帰りに沈められてしまった。あるものは目的地を目の前にしながら大西洋に消えた。
海底深く姿を隠した訪独潜水艦の行方をアメリカ、イギリスは総力を挙げて探った。太平洋、インド洋、そして大西洋に張り巡らした情報網をフルに使って、潜水艦を絶えず追跡し攻撃を加えた。
彼らの深海の旅はどのようなものだったのか。そして彼らはどのような運命をたどったのか。
戦後50年が経って、謎だった航海の全貌が漸く明らかになってきた。
極秘作戦だっただけに日本側に資料は殆どないが、米軍は暗号をすべて解読しており、その解読した日本の暗号電報がこれらの潜水艦の行動を物語っている。
NHKスペシャル番組の出版化
暗号について
* アメリカの最高機密文書には日本が極秘にしていたイ52の行動が、シンガポール出航の直後、既に記録されていた。文書には「ウルトラトップシークレット」と記されている。
* 海中の隠密行動を取る潜水艦の追跡は、肉眼による監視より、主に通信の傍受により行われ、暗号は米軍に解読されていた。
* 解読された暗号電文を基にイ52他の潜水艦の行動、積載物等が解明されている。

* ドイツからの積載物に「エニグマ暗号機」が含まれている。(これは日本でどのように活用されたのであろうか?)
* イ30は、行動間、旧暗号を使用する取り決めであったため、途中で新暗号を受領していたが、新暗号で受信した電報を翻訳していなかった。その電報には危険水域が示されていた。シンガポール入港の際、その危険海域に入り、機雷に触れ爆発沈潜した。
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