暗号戦史
「キ行 作品」
作品名 消えたヤルタ密約緊急電   情報士官・小野寺信の孤独な戦い
著者名 岡部 伸
発行日:2012.8.25
出版社:新潮社
形式:四六判(ソフト)
目次
第1章 日本が世界地図から消える!?
     ―ヤルタ密約情報は届いたか
第2章 和平工作の予行演習
     ―任地がその運命を決めた
第3章 ドイツが最も恐れた男
     ―同盟国の欺瞞工作を暴く
第4章 日米開戦は不可なり
     ―北欧の都からの冷徹な眼
第5章 ヤルタ密約情報来たる
     ―存亡をかけたインテリジェンス
第6章 間に合った「国体護持」情報
     ―8月14日にそれは届いた
第7章 対ソ幻想の謎を解く
     ―天皇の意思を曲解した人々
ストーリーの概要
 同胞の無理解を超えて独ソ戦を予言し、対米参戦の無謀を説き、王室を仲介とする和平工作に砕身した小野寺信。
 大戦末期、彼は近代史上最大級の「ヤルタ密約」を掴み、ソ連の日本参戦情報を打電する。ユダヤ系諜報網から得た正確無比なオノデラ電は、しかし我が国中枢の手で握り潰された。
 欧米を震撼させた不世出の情報士官の戦果と無念を描く。

目次の細部
第1章 日本が世界地図から消える!?―ヤルタ密約情報は届いたか
1消えたヤルタ密約電報 2「奥の院」が握りつぶす 3学者のような情報士官
第2章 和平工作の予行演習―任地がその運命を決めた
1欧州情報の交差点―リガ時代 2対中和平をはかる―上海時代 
第3章 ドイツが最も恐れた男―同盟国の欺瞞工作を暴く
1ただ独り独ソ開戦を予告 2ポーランド地下情報網が最大の鍵 3すべてはオノデラの人間的魅力から
第4章 日米開戦は不可なり―北欧の都からの冷徹な眼
1ヒトラーに幻惑されて 2鉄壁の情報網完成す
第5章 ヤルタ密約情報来たる―存亡をかけたインテリジェンス
1近代史上最大級の情報 2新兵器情報―原爆とジェット機
第6章 間に合った「国体護持」情報―8月14日にそれは届いた
1敗北迫るドイツ、そして終戦工作へ 2君主国から皇室へ―スウェーデン王室は動いた
第7章 対ソ幻想の謎を解く―天皇の意思を曲解した人々
1モスクワへの「密使」 2初めにソ連仲介論ありき 3国を挙げてのソビエト幻想 4かき消された「不都合な真実」
暗号について
第1章 日本が世界地図から消える!?―ヤルタ密約情報は届いたか
1消えたヤルタ密約電報 
 ・ヤルタ会談の密約情報を獲得し、東京に報告・・・百合子夫人が特別暗号に組み上げて大本営に打電
 ・しかし、戦後小野寺が調べると、その情報は上層部に届いていなかった。
 ・英米の暗号解読・・・HW35「ヨーロッパ駐在陸軍武官発信の暗号解読秘密文書」

第3章 ドイツが最も恐れた男―同盟国の欺瞞工作を暴く
1ただ独り独ソ開戦を予告
 ・西村大佐(ストックホルムでの前任者)・・・終戦時、特殊情報部長(暗号解読)
 ・ポーランド・・・エニグマの解読の端緒、暗号解読技術最も先進的、コワレフスキー大尉を暗号教官として招聘
2ポーランド地下情報網が最大の鍵
 ・英による日本の外交暗号の解読
 ・米による暗号解読・・・ヴェノナ、エシュロン

第4章 日米開戦は不可なり―北欧の都からの冷徹な眼
1ヒトラーに幻惑されて
 ・日本の米暗号の解読・・・米使用暗号機を入手、日本へ送る
2鉄壁の情報網完成す
 ・フィンランドから入手したソ連の暗号資料の活用
 ・ステラ・ポラリス作戦・・・フィンランドが降伏前に対ソ連暗号解読資料と暗号解読班の機材・人員
  小野寺が日本の為に引き取る・・・約3億円

第5章 ヤルタ密約情報来たる―存亡をかけたインテリジェンス
1近代史上最大級の情報
 ・小野寺夫人が送ったワンタイムパッドの暗号を英は解読

第6章 間に合った「国体護持」情報―8月14日にそれは届いた
1敗北迫るドイツ、そして終戦工作へ
 ・日本の外交暗号が弱い・・・ハンガリー武官から通報・・・岡村行使は無視
2君主国から皇室へ―スウェーデン王室は動いた
 ・スウェーデンとの暗号解読協力

第7章 対ソ幻想の謎を解く―天皇の意思を曲解した人々
1モスクワへの「密使」

*その他、戦時中の外交、駐在武官の使用した暗号、米英による暗号解読等について多数記述有り。
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