暗号戦史
「コ行 作品」
作品名 国際スパイゾルゲ日本へ潜入す   (「歴史への招待23」所収)
著者名 柴田 伸明(NHK)
発行日:S57.10.1
出版社:日本放送出版協会
形式:B5
目次
「なし」
ストーリーの概要
満州事変から日米開戦へと向かうわが国最大の転換期に日本の最高機密を盗み続けた男、ゾルゲ。彼はいかにしてそれを可能にしたのだろうか。
ゾルゲ諜報団のたどった道を探る。
・ 国際スパイ、リヒアルト・ゾルゲ
  ゾルゲの経歴。特に共産主義運動はその一生を通じて五つに分けられる。
・ ゾルゲ第5の活動
  昭和8年9月6日、横浜に上陸、昭和16年10月18日に逮捕されるまで、日本の機密を盗み、モスクワに送る。
  最大の任務:「当時の日本は、ソビエトに侵攻するか」
・ ゾルゲスパイ団
  検挙された者:17名。一部の人間を除き自分の顔を知られないよう行動。
  ゾルゲに直接話が出来た者は4人:尾崎秀実、宮城与徳、マックス・クラウゼン、ブランコ・ド・ブーゲリッチ
・ ゾルゲ、スパイ活動を開始する。
  表向きはフランクフルター・ツァイツング紙というドイツ新聞社の日本駐在員。ナチス党員と言う身分を最大限活用。
  オットードイツ大使の信頼を得る。機密書類の閲覧許可、写真撮影実施。
・ ゾルゲのスパイテクニック
  未知の仲間と連絡する「メールボックス」という連絡員の活用。クラウゼンによる無線機の作製・移動通信。暗号の活用。
  尾崎の活用・・・日本政府中枢への浸透。
・ ゾルゲ、御前会議を探知する。
  昭和16年7月2日の御前会議:松岡外相→オットー大使→ゾルゲ。
  昭和16年頃始め頃から、陸軍憲兵はゾルゲのスパイ活動に容疑。尾行開始。
  昭和16年10月18日逮捕→発表は昭和17年5月17日。昭和19年11月7日処刑

*本書に、「ゾルゲ国際諜報団逮捕」所収:暗号についての記述はないが、ゾルゲの逮捕、尋問、裁判の裏話がある。
暗号について
・ ゾルゲの暗号名:グスタフ、ロバート、ゾンター、ジョハン、ラムゼー、スミス、シュミット、ジョンソン、ヴィックス、インソン
・ 未知の連絡員と会う場合の確認方法
  @「オットー夫人を知ってますか」→「ヘルマーオットー夫人を知っています。」
  A「第112235号の1ドル札を見せる」→「一番違いの第112236号1ドル札をみせる」
  B劇場の切符を買い、自分の左右いずれか、あるいは左右いずれかから何番目の席に座った人物
  C私はこの本の面白いページは何ページだと思いました」→「私は何ページが面白いと思いました」
  Dレストランで、パイプを持ち、相手は大きな葉巻。両方気がついたとき同時に火をつけ吸う。
  E新聞に「浮世絵買いたし」のようは広告を出し、新聞社を連絡の中継地とする
・ゾルゲの使用した暗号・・・具体的に組み立て方を図示説明している。
  乱数はドイツ統計年鑑を使用。1時暗号は、アルファベットを数字に換字。非算術計算。
inserted by FC2 system