作品名 |
三浦半島記 (街道をゆく42) |
著者名 |
司馬 遼太郎 |
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発行日:1998.1.1
出版社:朝日新聞社
形式:文庫 |
目次
・武者どもの世 ・血と看経 ・時代の一典型 ・伊豆山権現 ・三浦大根と隼人瓜 ・三浦大介 ・房総の海 ・崖と海 ・“首都”の偉容 ・銀の猫 ・化粧坂 ・青砥藤綱の話 ・墓所へ登る ・頼朝の存念 ・三浦一族の滅亡 ・鎌倉の段葛 ・鎌倉権五郎 ・横浜のなかの鎌倉文化 ・頼朝と秀吉 ・小栗の話 ・「三笠」 ・記憶の照度 ・昭和の海軍 ・久里浜の衝撃 ・ミッドウェー海戦 ・横浜・二俣川 ・鎌倉とキスカ島 ・一掬の水 ・鎌倉陥つ |
ストーリーの概要 |
本書は、「街道をゆく」シリーズの中で唯一半島の名称がタイトルになっているが、主に鎌倉と昭和という2つの時代から、三浦半島が日本史の中で果たした役割を探っている。
半島の西側に突如として登場する鎌倉幕府は、初めて、京都以外に出現した政府である。3代で途絶える源氏の政権や、滅ぼされた豪族三浦氏など「生死はいかにもあざやかだった」関東武士たちの、この政府にかけた思いを記述。
後半のは、帝国海軍と横須賀という土地について語りながら、「海軍士官は、スマートであれ」という明治時代にイギリス海軍将校が残した教えを、消滅の瞬間まで守った海軍を紹介していく。
小説『坂の上の雲』のために旧海軍士官たちに行った「三笠」艦上での取材の裏話などを語り、最後は鎌倉時代に戻り、足利・新田氏によって鎌倉が陥落したときのエピソードで本書は終わる。 |
暗号について |
街道シリーズで暗号に出会うとは思っていなかった。
*ミッドウェー海戦
・日本軍が大敗して敗因の一つは情報だった。日本側の暗号の80%がアメリカに解読されていた。いわばポーカーの手の内が全部アメリカ側に読みとられたいた。
・なぜ解読し得たかという理由は、いまなおはっきりしない。
ともかく、日本の先鋒部隊である南雲中将の機動部隊が「一本の棒のようになって瀬戸内海を出動した」という光景まで暗号解読によってアメリカ側は知っていた。
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