作品名 |
日・米・英「諜報機関」の太平洋戦争」
初めて明らかになった極東支配をめぐる「秘密工作活動」 |
著者名 |
リチャード・オルドリッチ (Richard Aldrich) (訳:会田 弘継) |
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発行日:2003.8.10
出版社:光文社
形式:四六判 |
目次
序章 情報と帝国
第1章 真珠湾以前―嘆かわしい情報活動一九三七‐三九
第2章 不安な状態、そしてシンガポール陥落
第3章 警告されていた奇襲―諜報とシンガポール陥落
第4章 陰謀か混乱か?チャーチル、ルーズベルトと真珠湾攻撃
第5章 「慈善家」と「無法者」―チャーチルとルーズベルト、帝国をめぐる争い
第6章 米国の情報機関と英国の支配―インドにおけるOSSとOWI
第7章 奇妙な同盟―英情報機関とインドの治安
第8章 情報機関とマウントバッテンの東南アジア連合国軍総司令部
第9章 東南アジアにおける特殊作戦
第10章 中央と地方―通信情報収集をめぐる政治的駆け引き
第11章 中国における英国と同盟国
第12章 反植民地主義、反共産主義、戦後アジアの計画
終章 結論―見えざる手と巧みな足さばき |
ストーリーの概要 |
1945年9月2日、日本は降伏し、戦争は終わった、世界中は勝利を祝った。しかし、英国政府のトップレベルは違った。国家財政見通しの書類からは、英国は破産状態だった。
米・英は勝利のあと、どの国が広大なアジア太平洋地域の資源を支配することになるかが関心事だった。こうした長期的視野の問題で中心的役割を果たしたのが、「情報活動」だった。
極東戦線での、情報活動の政治的駆け引きを、チャーチル、ルーズベルトとこの二人の戦後アジアの将来像の不一致に焦点をあて、検証。更に極東戦線での、英国の情報活動の展開と、英米情報機関の関係の発展も検証。
欧州戦線では、情報活動が、枢軸側に対し戦略的に勝利するのに貢献した。しかし、原爆により突然のように戦いが終わった極東戦線では、情報活動の役割は、半ば軍事的であるとともに、半ば政治的でもあった。
極東戦線では、英国と米国、更に仏国と中華民国が、戦後処理のあり方をめぐって激しく張り合った背景に、「情報機関の見得ざる手」が働いていたことを明らかにすることが重要。
始めのうちは相手国がどのような計画や野望を持っているか探って報告することが役割だった。それが1944年頃には、密かな占領準備活動で、有利な立場を築き上げようとする「グレートゲーム」の様相を表してきた。時として泰日戦争は脇に追いやられた。
チャーチルの意向を受けたマウントバッテン卿が率いる東南アジア連合国軍総司令部(SEAC)が嵐の眼となった。司令部のあるセイロン島には、12以上の連合国軍側情報機関が駐屯し、それぞれが功名を挙げようとしのぎを削った。
米国よりも英国に重点を置いたのは、1942年以前には、アジア地域での米国の情報活動は存在しないに等しかったからだ。 |
暗号について |
*ブレッチリーパークの英政府暗号研修所(GC&CS)が拡大化していった。第2次大戦集の情報活動においては、暗号解読により得られるリアルタイムの情報が重視された。
第1章
・ 英国:インドでの情報活動・・・暗号使用・暗号解読・電信傍受の部門の技術の高度化。香港におけるGC&CSの出先機関の解読作業の実態。
・ 米国:暗号解読活動・・・組織統一が不十分
第2章
・ シンガポールを中心とする通信情報センターの活動。
・ 藤原機関等の通信傍受、暗号解読活動。
・ 米の支援により、英もロンドンで日本外務省の電報の暗号を解読。
第3章
・ 日本の企図を暗号解読から分析・・・マレー半島での行動
・ ドイツ暗号解読文書「ウルトラ」の活用
第4章
・ 英国陰謀説(裏切り説)・・・チャーチルは、米国の参戦を望み、日本の真珠湾攻撃情報を知らせなかった。
・ 日本の外交暗号「パープル」のみならず、海軍暗号JN-25も41年以前に解読していたと言う説。
・ 米国の通信情報活動・・・陸軍と海軍の関係等
・ 英通信傍受活動と連合国協力
第5章以下は、暗号解読活動について触れてはいるが、詳細の記述はない。 |