暗号戦史
「ニ行 作品」
作品名 日本海軍の戦略発想    敗戦直後の痛恨の反省
著者名 千早 正隆
発行日:1982.12.10
出版社:プレジデント社
形式:四六判
目次

第1部 日本海軍の対米戦争に関する判断
第2部 戦争はかく実証した
第3部 総まとめ

ストーリーの概要
 その軍歴のすべてを連合艦隊だけで送り、参謀として敗戦を迎えた著者が怜悧に分析する「なぜ、日本海軍は敗れたか」。敗戦直後から書き、昭和22年初めに書き終わった。戦後30年経ち、出版された。
 日本型組織の栄光と挫折、歴史の教訓に今、何を学ぶか? 責任感あふるる良心的な元海軍軍人が、敗戦の悲運に泣きながら筆をとった渾身の力作。
 欧米の歴史家の間で珍重され、数々の問題作に引用された幻のリポート。

第1部 日本海軍の対米戦争に関する判断
 1日本海軍の仮想敵は米国海軍 2日米戦争に関する研究 3戦術面のみに目が奪われた 4不備だらけの日本海軍の戦務 5大局を忘れた日本海軍の戦備 6陸海軍協同の不完全 7戦争についての各種判断の誤り
第2部 戦争はかく実証した
 1ハワイ海戦の戦訓 2日本海軍の小手先芸 3小手先芸の限界 4あと1カ月あったなら 5馬鹿の一つ覚え 6偵察、索敵の軽視 7追撃戦の悲劇 8慢心と増長の悲劇 9 美辞麗句が多くなった作戦命令 10用法を誤った潜水艦戦と時代遅れの対潜作戦 11補給船に敗れた 12誤った作戦で犠牲になった設営隊 13軽視した情報、防諜のとがめ 14甘かった人事管理
第3部 総まとめ
 1後手、後手となった作戦計画 2完敗に終わった「あ」号作戦と「捷」号作戦 3水上部隊の悲劇な最後 4マクロ的な考え方と総合性の欠如 5物量の差だけではなかった 5教育に根本の原因があった。

暗号について
第2部 戦争はかく実証した
13軽視した情報、防諜のとがめ
 *ミッドウェー作戦、山本五十六指令官戦死・・・敵の暗号解読・・・・反省なし
   しかし、第1線の部隊では、暗号が解読されているとの印象を持つ者がいた。
 *戦後も海軍関係者は解読は不可能だと判断していた。
 *米は日本海軍の暗号システムを研究して解読
 *日本側の暗号解読の成果は知らない。通信情報としてのものはあった。
 *暗号に無関心、組織貧弱
  @ 暗号の生命は永遠ではない、と言うことを忘れていた。・・・平文でもよい時期・場所
  A 暗号解読されているのではないかと疑いながら、何の配慮もしなかった。
 * ピアク島の千田少将救出作戦・・・X日を如何に知らせるか
  ・「司令官の名前の第1字及び第2字の字画の合計数+何日」・・・3〜4時間は稼げるだろう
  ・しかし、本人の千田司令官には理解できなかった。・・・・救出作戦失敗 
2008.12:復刊
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