暗号戦史
「ニ行 作品」
作品名 日本の情報機関   経済大国・日本の秘密
                 (A HISTORY OF THE JAPANESE SECRET SERVICE)
著者名 リチャード・ディ−コン  (Richard Deacon) (訳:羽林 泰)
発行日:昭和58.11.1
出版社:時事通信社
形式:四六判
目次
1 はじめに 2 天下統一を遂げたスパイ・マスター 3 イギリスから来た諜報員 4
 情報収集に活躍した秘密結社 5 明石元二郎と黒竜会 6 福島安正の単騎シベリア横断行 7 日露戦争 8 チャイナ・ウォッチング 9 第1次世界大戦 10  満州の冒険家、川島波速 11 ロシア皇帝救出計画 12 暗号戦争 13 大陸浪人 14 土肥原将軍と川島芳子 15 思想警察と憲兵隊  16 日本におけるソ連諜報網 17 チャップリンの付き人 18 東南アジアでの諜報活動 19 アメリカでの海軍諜報活動 20 "真珠湾"とその後 21 暗号戦争における決定的敗北 22 ゼロからの出発 23 戦後の諜報活動 24 繁栄のためのスパイ活動 
ストーリーの概要
著者は、元イギリス情報部員で、世界の諜報機関とその活動をテーマにしたノンフィクションを書き続けた。イギリス、ソビエト・ロシア、中国、イスラエルの各諜報機関史を書いた後、日本のこの本を書いた。

情報収集という視点によるユニークな日本人論であり、日本が成し遂げた驚異的経済成長の解明である。

中国大陸での秘密結社の暗躍、対露諜報作戦、それ以上に日本が行ってきた「繁栄のための情報収集」に焦点。
日本の諜報活動を肯定し、情報収集への熱意を賞賛しているが、やや誇張しすぎか?著者は親日家だと言う。

(はじめにから)
日本のスパイが摘発された事例が少ないのは、西欧がその諜報活動を甘く見たこと、また、長い期間過小評価したため。
日本の諜報活動の第1原理は"孫子"の兵法である。
日本の諜報機関の動機付けを歴史的に理解するには、国民性に関する二つの特徴に注意。
・ 鎖国:国民性を強化し、日本民族の存続への意欲を高め、愛国心を育んだ。
・ あらゆる知識に貪欲、天性の好奇心。
徳川幕府は莫大な数の国家諜報員を全国に配置し、暴動や反政府活動を監視続けた。:忍者
19世紀後半に続々と生まれた種々の秘密結社に参加した「浪人」も熱烈な愛国者:一流の諜報員、情報収集者
暗号について
4 情報収集に活躍した秘密結社
中国秘密結社の秘密言葉:茶碗や急須をさまざまな形に並べることにより表現。それを日本の諜報員が観察し分析解読した。

7 日露戦争
日本語の持つ利点から、相手がロシア人であれば、暗号を使うまでもない。日本語を読めるものは10万人に一人ぐらいだから。手書きの日本語になると、75万人に一人いるかいないか。
ロシアは、ハーグの日本大使館から暗号を盗んだ。初期のころに電報に使われた乱数表や暗号文はずっと危険だった。

10  満州の冒険家、川島波速
「ホタルの唄]は諜報員同志の確認の暗号だった。
11 ロシア皇帝救出計画
日本は、軍隊のほかに現地に定住している工作員がいたし、ソビエトの諜報機関に潜入できたので、ボルシェビキの暗号電報解読表のコピーを入手できた。
12 暗号戦争
ヤードレーの「ブラック・チェンバー」について詳述。日米の暗号作成・暗号解読の戦いについて。
17 チャップリンの付き人
アメリカの暗号解読者の不足。ハワイの吉川少尉の活躍。
19 アメリカでの海軍諜報活動
日本の諜報員によるアメリカ海軍士官のスパイ活用。
20 "真珠湾"とその後
暗号解読はしたが、内容評価が出来なかった米側。日本の暗号は安全と言う神話に頼る。「お人形は修理中」というな奇妙てがみとは?

21 暗号戦争における決定的敗北
ミッドウェイ作戦はなぜ探知されたか。
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