暗号戦史
「ニ行 作品」
作品名 日本陸軍暗号 (新教程)  米陸軍通信保安部編
著者名 保坂 廣志 伊藤 秀美 編
発行日:2013.8.31
出版社:紫峰出版
形式:CD、ダウンロード
  (A5版 297頁)
   
目次

訳者序、本書のガイド、まえがき
第1章 暗号
第2章 乱数はぎ取りの基本原理
第3章 指示符の暗号化
第4章 2468系の暗号解析
第5章組立表の復元−7890系
第6章組立表の列座標の復元−7890系
第7章鍵を解く−7890系
補注、略解、、参考文献

解説
第1章 暗号戦一攻防のポイント

第2章 第二次世界大戦下、米軍のインテリジェンス
ストーリーの概要
 旧日本陸軍の暗号関係文書は終戦直後の組織的隠滅工作の為にほとんど現存しないといわれる。

 陸軍暗号の問題点を探るための資料として,米陸軍の通信保安部(SSA)が新人教育用に用いた教程本をとりあげる.
 本教程は,陸軍暗号の概要を記した後に,どこに弱点があるかを指摘し、それを攻略する方法論を詳細に記している.解読実務にこれから携わる人を対象にしているため、方法論が身につくように分かりやすく書かれている点、実戦的な演習問題が付けられている点に特色がある。全体は12章で,理由は不明であるが,応用テクニックを扱った後半の8から12章が欠落している。しかし,陸軍暗号の問題点を探るという目的にはそれほど障碍にはならないと思われる。
 太平洋戦争開戦時,日本陸軍暗号は有利な状況にあった.末英の関心が外交暗号と海軍暗号に向けられており,陸軍暗号は手付かずの状態だったからである.開戦時のリードは1年半保つことが出来、末英軍は1943年6月まで暗号解読による情報を得ることができなかった.この後,主要暗号が攻略される。最初に解読されたのは船舶暗号である。また、船舶暗号と類似の構造を持つ航空暗号もほぼ同時期に解読された。陸軍中枢の暗号も1943年9月頃には部分的に解読され、翌年1月には暗号書が敵手に落ちたこともあり、大規模に解読されるに至った。本教程が取り扱っている内容は時期的にはこのあたりまでである。
 原資料は1997年7月に米国立公文書館で発見したものである。

 この教程の目的は,暗号解読課に来た新人に、これまで知られている現用の陸軍暗号の基本原理,及び暗号解読の基本方式を教えることである。受講生が暗号解析の問題を通して,残された暗号の障碍をひとつずつ論理的な順序で取り除くようにこの教程は企画された。こうした当初の制約内で,できるかぎり最も初歩的な原理から徐々により困難な問題へと受講生を導いて行く。
暗号について
第1章 暗号
 指示符の暗号化を除き、日本軍の暗号化手法を完全に習得するように書かれている。指示符の暗号化は第3−7章で詳細な考察をする。本章では、コードの型、宛名の型、無線と暗号の手順、乱数式暗号を習得する。

第2章 乱数はぎ取りの基本原理
 メッセージから乱数を除く初歩的原理のみを扱う。この段階でこのテーマを扱うのは、複数の文章を重ねて内容を読み取る経験をかなりつんで初めて乱数式暗号の解読を本当に理解するようになるということを、暗号課のメンバーが経験上知ったからである。

第3章 指示符の暗号化
 過去及び現在に日本軍によって採用された指示符の暗号化手法を示す。

第4章 2468系の暗号解析
 第4-7章では,指示符の現在の解読手法を詳細に解説。
 ここまでくれば,乱数のはぎ取りまで後一歩である。その一歩とは乱数表頁の開始座標を求めることである。

第5章組立表の復元−7890系
第6章組立表の列座標の復元−7890系
第7章鍵を解く−7890系

補注、略解、、参考文献
解説
第1章 暗号戦一攻防のポイント
1.1 はじめに
1.2 日本陸軍の暗号システム
1.3 特別計算表表
1.4 解読
第2章 第二次世界大戦下、米軍のインテリジェンス
 2.1 はじめに
 2.2 米情報部の編成
 2.3 米情報部暗号解読・
  2.3.1 米陸軍情報部マジッ
  2.3.2 米海軍情報部オレンジ
  2.3.3 サム・インテリジェンス・ノート
  2,3,4 SSO (特別情報保全将校
  2.3.5 陸軍通信学校
 2.4 終わりに
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