暗号戦史
「ニ行 作品」
作品名 日中戦争期上海領事館の通信傍受活動  (「Intelligence 15」所収)
著者名 宮杉 浩泰
発行日:2015.3.31
出版社:20世紀メディア研究所
    (文政書院)
形式:雑誌
項目
はじめに
1 外務本省での通信傍受・暗号解読
2 岡本季正上海領事の意見具申
3 QQ情報の誕生
4 QQ情報の成果と限界
おわりに
ストーリーの概要
 満州事変から日米開戦までの期間、外務省の行った情報活動は、@公開情報の収集・分析 A諜者やエージェントを用いた人的情報収集 B対外広報宣伝 に集約される。
 しかし、この期間、東京の本省だけでなく出先の上海領事官でも通信傍受や暗号解読を行っていた。これはQQ情報と呼ばれた。
暗号について
1 外務本省での通信傍受・暗号解読
*外務省:大臣官房電信課・・・史料の残存状況は極めて悪く、実証的な研究困難
 ・研究班:米、英、ソ連、中国に区分。電信官と電信官補が従事
 ・実務班:@外務省自身が使う電信符号の立案編纂係 A「英、米、蘇、支の解読暗号文の浄書、研究 
 ・重要人物:井上恒征・・・海軍将校、外務省の嘱託となる。予備役後外務省大臣官房電信課に勤務、電信官となる。
  暗号の専門家・・外務省に機密室を創設指導

2 岡本季正上海領事の意見具申
*上海での暗号解読について意見具申・・・中国が行っていた対日暗号解読活動への対抗策
*海軍の協力

3 QQ情報の誕生
*ブラックチェンバーへの増員要求・・・ブラックチェンバーを公電でも使用・・・暗号解読の意味での隠語的使用
*1938年暮れから「QQ情報」と言う秘匿名を使用・・・傍受解読した情報

4 QQ情報の成果と限界
*QQ情報の具体的事例掲載
 ・あまり重要な情報は得られていない?
 ・郷土の強い中国外交暗号は海軍、低いものを上海総領事館・・・分業体制が敷かれた?
inserted by FC2 system