作品名 |
日本海海戦百周年記念特集:その情報通信からの視点 |
著者名 |
太平洋学会:編集・発行 (太平洋学会誌94号) |
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発行日:2005.5
出版社太平洋学会
形式:A5 |
目次
日本海海戦:その情報通信からの視点
視点1 海戦をめぐる情報通信環境とA.S.ポポフ
・冨澤 一郎
視点2 東郷とマカロフ 緒戦の情報通信合戦
・中田 良平
視点3 波濤万里ロジェストウェンスキーの通信戦略
・田中 正智
視点4 “皇国の興廃”を賭けた情報通信網と木村駿吉
・中村 治彦
視点5 人間コミュニケーションの輪の中で
・小菅 敏夫 |
ストーリーの概要 |
特集号刊行に当たって―日本海海戦100周年に想う― 中島洋 より
*「タイム」誌:20世紀の国際情勢を決定的に変化をもたらした戦闘
・日本海海戦 ・シンガポール陥落 ・ミッドウェー海戦 ・仁川上陸作戦 ・ディエンビエンフーの戦い
*日露戦争での日本の勝利は、白人国家による世界秩序が終焉・・・日本海海戦の決定的勝利が世界を変えた
*今回、電気通信、人間コミュニケーションを中心に日露戦争と日本海海戦を考察した5つの論文を掲載した特集号を刊行
視点1 海戦をめぐる情報通信環境とA.S.ポポフ
・1世界の電信網 2国際的な郵便網 3ロシア海軍の無線電信
・ポポフの苦労と功績・・・マカロフが評価、無線諜報戦を展開
視点2 東郷とマカロフ 緒戦の情報通信合戦
・1日本側の諜報戦は東郷の主導 2ロシア側の諜報戦はマカロフが主導 3日露諜報戦の環境整備 4両艦隊の無線諜報活動 5日本海海戦に向けて
・モールス符号を無線電信のみではなく伝統的な発光信号伝送に利用
・東郷は木村、マカロフはポポフ・・・恵まれた
・三六式無線電信機の有効活用、情報収集・諜報活動の勝利
視点3 波濤万里ロジェストウェンスキーの通信戦略
・1情報に着目した第二太平洋艦隊の航跡 2艦隊を支えた情報と情報収集/伝達の手段
・世界的な電信網と郵便配達システム
・情報に翻弄・・・真贋を判断できず
視点4 “皇国の興廃”を賭けた情報通信網と木村駿吉
・1我が国にける無線電信の開発 2ロシア艦隊迎撃のための情報お通信網 3連合艦隊の無線電信
・日本海海戦の勝利は情報戦の勝利・・・三六式無線電信機を縦横に駆使
視点5 人間コミュニケーションの輪の中で
・1情報収集と諜報活動/和平工作 2専門家の視点 3世界が注目した海戦
・それぞれ相手国に諜報員を送り込んでの情報収集活動
・観戦武官、従軍記者の派遣を認めた
・新聞・雑誌で一般市民も情報を共有
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暗号について |
*各視点において、大なり小なり、暗号(符号等を含む)につてい触れている
視点1 海戦をめぐる情報通信環境とA.S.ポポフ
・無線電信活用上の運用、周波数の割り当て等、国際的な無線電信運用の萌芽
視点2 東郷とマカロフ 緒戦の情報通信合戦
・双方とも双方の無線電信を傍受、あるいは妨害
・解読による情報収集
・無線電信略符号の制定・・・信濃丸等が利用したもの・・・附録として添付してある。
・撃沈した艦船等からの暗号資料の収集
視点3 波濤万里ロジェストウェンスキーの通信戦略
・ロシア本国殻の電報等・・・具体的なものは示されていないが、暗号電報が使用された。
・日本国内や艦隊の状況が書かれているので、国内に諜報員がいたことを暗示している。
・日本艦隊の通信も傍受していた。しかし、妨害は艦隊の所在を悟られるので許可しなかった。
視点4 “皇国の興廃”を賭けた情報通信網と木村駿吉
・5月23日からの敵艦隊発見の電信報告の経緯
・旗艦「三笠」と艦隊の間の通信・・・電報の写真添付
視点5 人間コミュニケーションの輪の中で
・マスコミによる情報戦が主体で暗号には直接触れていない |