暗号戦史
「ニ行 作品」
作品名 日本兵捕虜は何をしゃべったか
著者名 山本 武利
発行日:H13.12.20
出版社:文藝春秋
形式:新書
目次
序章 捕虜第一号
第1章 米軍の対日諜報システム
第2章 日系二世の秘密戦士たち
第3章 ずさんな日本軍の情報管理
第4章 ガタルカナル戦線
第5章 ニューギニア、フィリピン戦線
第6章 中国、ビルマ、インド戦線
終章 捕虜と日本占領
ストーリーの概要
 太平洋戦争で捕虜になった日本兵は、米軍の尋問に協力的だったが、重要機密は洩らしても天皇への畏敬の念は失わなかった。
 この日本人独自の心性への理解は、マッカーサーの対天皇政策の原型となる。
 アメリカは日系二世を中心に組織的な諜報活動を展開。情報戦争ですでに日本は負けていたのだ。更にアメリカは、戦時中に習得した日本人捕虜への対応のノウハウを、戦後の占領政策に適用した。
 アメリカ国立公文書館で原資料を読破した著者が、米軍の諜報活動の実態と日本兵捕虜たちの生態を発掘
暗号について
第1章 米軍の対日諜報システム
 * 何故文書を戦場に残すのか
  ・安全性・・・日本語は暗号システムといっていいほど世界で最も難解な言葉の一つである。軍当局はこのことを良く知っていて、日本語の伝達は安全だと見なしている。初期の作戦では、連合軍が文書を捕獲しても理解できないとみて、配慮せず。
 * 大統領と統合参謀本部
  ・暗号文書やZ作戦部書のように、重要な文書の入手時はセクショナリズムを排除

第3章 ずさんな日本軍の情報管理
 * 山本長官と暗号解読
  ・長官の死の2カ月前に海軍次官からの指令書発信
   → 危急の際、暗号表を土中に埋めるなどの処分の不十分なものが多い。一層慎重に管理せよ。
  ・第6根拠地司令部・・・機密書類処分内規
   → 暗号書処分の具体的指示・・・3段階
  ・長官撃墜死後、海軍担当者は「解読されるはずがない」と処置しなかった。
 * アメリカ軍のウルトラ
  ・1944.1、ニューギニアで地中に埋められた暗号表一式を発掘・・・部隊は完全焼却とウソの報告
  ・連合軍は、大量、性格、迅速に解読・・・・ウルトラ情報

第4章 ガタルカナル戦線
 * ガダルカナル島・一木支隊・・・米はこの戦闘で陸軍の暗号を入手
 * 情報凝縮の日記
  ・部隊の符号、記号、略号等・・・解読に参考

第6章 中国、ビルマ、インド戦線
 * 特務機関情報を提供した海軍大佐
  ・供述資料・・・暗号関係の特殊情報部の命名法、意味、システム等
inserted by FC2 system