暗号戦史
「ハ行 作品」
作品名 パール判事の日本無罪論
著者名 田中 正明
初出:昭和38年

発行日:2001.11.1
出版社:小学館
形式:文庫


原本:昭和27年:
「パール判事述・真理の裁き・日本無罪論」
目次

第1部 東京裁判とは何だったのか―戦争裁判の法的欺瞞
第2部 太平洋戦争はなぜ起きたか―「共同謀議」という焦点
第3部 戦争における「殺人の罪」―贖罪意識の植え付け(
第4部 東京裁判のもたらしたもの―国際論争と戦後日本人の意識
おわりに
東洋の政治的復活(S41.10.11、朝日新聞)
解説:ラダ・ビノード・パール判事と田中正明氏
付録:世界の識者が見た東京裁判

ストーリーの概要
「私は真実を真実と認め、正しき法を適用したにすぎない」。
判事11名の中ただ一人日本無罪を主張した唯一の国際法学者、パール判事。国際法に拠らず、事後法によって行われた東京裁判を戦勝国による「リンチと何ら変わらない復讐」とし、違法だと非難した彼の主張は、その後世界の識者に高く評価された。
パール判決文を中心にマッカーサーも認めた「東京裁判の不正」を問う。戦後日本人の歪んだ贖罪意識にメスを入れる。

目次の細部

第1部 東京裁判とは何だったのか―戦争裁判の法的欺瞞
・勝てば官軍か ・裁く者と裁かれる者 ・判決理由のない判決 ・戦争裁判への挑戦 ・三つのキャッチフレーズ ・戦勝国の犯罪も裁け ・戦争は犯罪となし得るか ・戦争は法の圏外にある ・世界連邦のみが戦争を裁ける ・裁判所条例の違法 ・法はさかのぼらず ・文明に逆行するもの ・戦争責任は国家か個人か

第2部 太平洋戦争はなぜ起きたか―「共同謀議」という焦点
・「全面的共同謀義」という妄想 ・便利な法律の武器  ・底を流れる人種的偏見 ・人種問題への提言 ・満州事変は何故起きたか ・防共協定は侵略か ・中立義務は果たされたか ・ABCD経済包囲陣 ・開戦を決定的にした石油禁輸 ・日米交渉で時間を稼いだもの ・悲劇の傍受電報 ・アメリカの最後通牒(ハル・ノート) ・事実上の開戦=11月27日

第3部 戦争における「殺人の罪」―贖罪意識の植え付け
・裁判所の管轄権の範囲 ・命令し、授権し、許可した者 ・南京事件と松井大将 ・原子爆弾の投下を命じた者 ・執念深い報復の追跡 ・賞罰はそのところを変えよう

第4部 東京裁判のもたらしたもの―国際論争と戦後日本人の意識
・国際法学界に光を増すパール判決 ・裁判という名の狂言 ・同胞に石を投げるな ・占領政策の一環 ・民族の劣性への転落 ・インドの軍事裁判

暗号について
第2部 ・悲劇の傍受電報
米国により日本の外交電報は解読されていた。
これが一字一句間違いなく解読されていたのなら、むしろ問題はなかった。
肝心な所が誤訳され、日本の真意が恐ろしく曲げられて、米首脳部に伝えられたところに救いがたい悲劇の端緒がある。
* 弁護人は3通の傍受電報を証拠として提出
 ・ 日本の態度が極めて不真面目で、誠意のないように誤訳
 ・ 日本の甲乙案は最後通牒のように誤訳

この時期に解読の誤訳が法廷に提出されていた事実は暗号解読史において重要!!
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