暗号戦史
「レ行 作品」
作品名 烈将 山口多聞
著者名 生出 寿

発行日:1989.08.01
出版社:徳間書店
形式:徳間文庫

凡将山本五十六と烈将山口多聞を合冊にして再発行されている。(2005.8.15)

目次
戦艦伊勢の金字塔、快刀乱麻を断つ参謀長、猛将大西瀧治郎の心服、空母飛竜上のえびす司令官、ハワイ反覆攻撃の進言、平々凡々の大物、ドイツ潜水艦との戦い、米英への闘志、連合艦隊先任参謀の信条、駐米海軍武官の情報活動、軽巡五十鈴艦長と皇族出身士官、択捉島単冠湾で歌う「決死隊」、真珠湾への三千五百カイリ、全機撃突の決意、一撃だけで引き揚げた禍根、部下をみすみす殺せない、英米屈服の巨大作戦計画、ミッドウェーに待つ米空母部隊、現装備のまま発進すべし、米空母ヨークタウンを打倒、猛火の中の勇士たち、艦と共に沈む名将
ストーリーの概要
我が陸海軍部隊は、本八日未明、西太平洋において米・英国と戦闘状態に入れり―緒戦の真珠湾攻撃に勝利した日本軍は、先勝ゆえの慢心と一部司令官の無能、無策のためミッドウェーで大敗北。滅亡への道を歩み出した。
が、大敗の中で空母一艦を最期まで死守し、反攻の意志を曲げなかった提督がいた。その人こそ烈将の名を欲しいままにした山口多聞である。
山本五十六との差が、如実に描かれており、日本にとって惜しい名称を若くして失った。判断力に優れ、決断が早く、部下に親しまれ、公明正大な男、正に烈将である。
空母飛竜と共に沈んだ名将に迫るドキュメント。
暗号について
*駐米海軍武官の情報活動
 昭和19年、在米武官だった頃、米海軍情報部極東課長・ザッカライアス大佐の自宅に招かれ会食中、武官事務所に電気工事に来た米の密偵に暗号室内のの情報を盗まれた。それには、暗号機器等が含まれ、米による日本海軍暗号機の複製作成の資料となった。
* その他
 諸所に、海軍の暗号通信の実例、米国による太平洋戦争時の暗号解読の実例が書かれている。しかし、主題でないため、概要にとどまっている。
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