作品名 |
参謀の戦争 |
著者名 |
土門 周平 |
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初出版:1987.11.25;講談社
発行日:1999.11
出版社:PHP
形式:文庫 |
目次
第1章 昭和十四年夏、第二次大戦勃発
第2章 太平洋戦争の背景となった昭和十五年夏
第3章 昭和十六年春、戦争を断念する陸軍中央部
第4章 国際情勢に引きずられる昭和十六年夏
第5章 戦争目的の混迷 |
ストーリーの概要 |
新プロジェクトや大事業をすすめるときに、日本人が留意しておくべきポイントとは何か?
太平洋戦争前夜の様相ほど、これを考えるのに絶好の材料はない。
東京裁判史観を排し、徹底して資料に基づいて、「太平洋戦争の縮図」といわれるノモンハン事件から、2年後の開戦決定のプロセスまでを克明にたどり、日米開戦の「失敗の本質」を明らかにした。
目次の細部
第1章 昭和十四年夏、第二次大戦勃発
1 ノモンハン事件―失敗をどう活かすか
2 桐工作と陸軍軍備充実計画―二律背反をどうさばくか
3 政治化する陸軍―健全な政治と軍事の関係は
4 近衛と陸軍と新体制運動
第2章 太平洋戦争の背景となった昭和十五年夏
1 陸軍の陰謀、米内内閣を倒す―天皇の急変は何を物語るか
2 近衛、「時局処理要綱」で軍の画策にのる―「なんとかなる」が大怪我のもと
3 作戦部長の独断、北部仏印進駐―権限委譲は下手すると命取り
4 日独伊三国同盟締結の真相―利用しようとすれば利用される
第3章 昭和十六年春、戦争を断念する陸軍中央部
1 大政翼賛会の誕生と総力戦体制―世界観をかけた争い
2 陸海軍の戦略論争―参謀肩章をかけての争い
3 物的国力判断と「対南方施策要綱」―なぜ合理主義は破綻したか
4 連合国の対日作戦準備―その準備の実態をもし知っていたら
第4章 国際情勢に引きずられる昭和十六年夏
1 松岡外相と日ソ中立条約― 一筋縄では行かぬ国際外交
2 因果な一石、「日米了解案」―40年後の新史料発見
3 独ソ開戦と関東軍特種演習―言葉の火遊び、国を誤る
4 最後の断崖、南部仏印進駐―石川大佐だけが知っていた
第5章 戦争目的の混迷
1 第三次近衛内閣の崩壊と東条内閣の出現―一度決めたことは、変えられないとみるか
2 開戦決定へのプロセス―国家意志決定のカラクリ
3 アメリカの対日参戦決定過程―戦争のプロたちの手並み
4 軍側の開戦準備 |
暗号について |
第1章 昭和十四年夏、第二次大戦勃発
2 桐工作と陸軍軍備充実計画―二律背反をどうさばくか
*近衛親書と相手の真偽
・北支那方面軍では、中国軍の通信を傍受解読出来てる能力を保持・・「特暗」
・桐工作の報告時、敵の会議について報告・・・「特暗」ではその形跡なし・・・会議が行われれば必ず「特暗」に出てくる。
・蒋介石の前線視察ついて「特暗」に出てこない・・・石井中佐は「桐工作」はあやしいと感じた。
・宋子良の言動と「特暗」の情報に差異あり・・・宋子良は本物か?
第4章 国際情勢に引きずられる昭和十六年夏
2 因果な一石、「日米了解案」―40年後の新史料発見
* 解読され誤読された日本側暗号文
・日本側の外交暗号がアメリカ側に解読されていた・・・日本側の意図は最初から米に知られていた。
・さらに悲劇的な事は、米の傍受解読作業が、「モールス受信、原文再生、英語に翻訳」の過程で誤訳が発生した。
・甲案の
「なお四原則については日米間に妥協せらるべき云々」→
「(4)原則として日米間に妥協せらるべき提案中に抱合することを回避することを熱望する」と曲解 |