暗号戦史
「セ行 作品」
作品名 戦前期における日本の暗号解読能力に関する基礎研究
            (「国際研究・比較文化研究3-1」所収)
著者名 森山 優



国際関係・
比較文化研究

2004.9
3(1)


発行日:2004.9
出版社:静岡県立大学
     国際関係学部
形式:雑誌
目次
はじめに
1 研究氏における理解
2 国務省暗号の運用状況と解読の可能性
3 残存する解読電の系統
おわりに 総括と今後の展望 
概要(暗号について)
はじめに
*戦前の日本が外国の暗号電報を解読していたことは事実である。
これまでの研究の流れを整理し、国内外の一次資料を利用して、可能な限り今後の研究課題を展望したい。
敗戦と共に殆どの解読原文が焼却されたため史料的な制約は多いが、可能な限り実証的なアプローチを試みた。

1 研究史における理解
*米国務省が使用していた暗号の種類・・・グレー、ブラウン、A1、B1、C1、D1、M138
*史料:「平和への努力」、「日米交渉資料」、「太平洋戦争由来記」、「帝国海軍機密室」、「情報戦争」、「情報士官の回想」、「元軍令部通信課長の回想」、「日本陸海軍の情報機構とその活動」、「暗号と心理」、「基礎暗号学」、「大東亜戦争における暗号戦と現代暗号」、「藤井茂日記」、「石川信吾日記」、「昭和社会経済資料集成」、「暗号戦」、「特殊情報綴」等々
*ストリップ暗号・・・解読していた
 ・特情の原本
 ・盗写、原文仮定法

2 国務省暗号の運用状況と解読の可能性
*国務省から発電された電報の一例
*国務省、大使館から打電された電報の分析・・・暗号電の割合
*ストリップ暗号の運用検証
 ・運用、使用上のミス
 ・釜賀氏の解読理論の紹介

3 残存する解読電の系統
*陸海空共同の暗号解読作業・・・・国務省のストリップ暗号は陸軍担当
*解読電からの検証
*米電のみならず、中国、イギリス、フランスの電報も解読していた。
*駐ソ、注支、駐マニラ、駐タイ、駐仏印大使館発電の解読状況
*詳細な解読電報の分析実施

おわりに 総括と今後の展望
*解読は理論的であったことは明白
*駐日、駐中の主要な国務省暗号は殆ど解読
*ストリップ暗号は、更新、周期変更時期は解読が追いつかなかった
*情報評価のあり方の解明が必要
*中国共産党、ソ連の暗号解読についても解明を期待
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