暗号戦史
「シ行 作品」
作品名 情報収集艦プエブロ号  上・下   日本海のミステリー
著者名 トレバー・アンブリスター   (Trevor Armbriste) (訳:中村 悌次)

発行日:1991.11
出版社:大日本絵画
形式:四六判
目次
上巻
拿捕(Seizure)
1 ザ・ロンリー・ブルー 2 何かが狂おうとしている 3 調査区画に近づくな 4 他愛もない宣伝さ 5 ただちに停船せよ 6 降伏するしかない 7 面倒なことになりそうだ 8 プエブロを知っているか 9 機密文書を燃やせ)
情報収集艦(AGER)
10 この計画は失敗だ 11 ブッチャー鑑長 12 無線マニア 13 パワー・ゲーム 14 まったくのボロ船だ 15 一般海洋調査船 16 アジア人こそが脅威だ 17 人間関係 18 嫌がらせ 19 狂った歯車20 奴らには捕まらない)

下巻
危機(Crisis)
21 全機発信せよ 22 一体何の騒ぎだね? 23 すでに遅すぎる 24 ヤンキーを殺せ 25 彼のためを祈って 26 お前を射殺する 27 奴らは獣だ 28 エスカレーション 29 拷問 30 デッドロック 31 脱走計画 32 リメンバー・ザ・プエブロ 33 収容所 34 世論 35 茶番劇 36 ディプロマシー
37 地獄の週 38 ・・・話はまとまった 39 帰国
査問会議(The Fact)
40 これは責任の問題である  41 抵抗する力のある限り
42 もし私なら  43 判決
エピローグ(Epilogue)
44 死んだ方がマシさ  45 さよならプエブロ
ストーリーの概要
 1968年1月、即応体制の整っていない国が、不適当な艦に未熟な隊員を乗せて、非友好国の沖合いに派遣した。その艦の任務は失敗した。しかし、その任務というのは、恐らくは元々、不必要なものであった。
 冬の日本海で、予期しないことが起こった。北朝鮮が、この艦を攻撃してきたのである。狼狽した艦長・プッチャー中佐は、もはや自分達には抵抗する力はないと考え、艦もろとも降伏した。
 この事件を通じて、適切な対応を妨げた最大の要因は、恐らくこの"そんなことが起こるはずがない""それは起こりえないことだ"という心理であった。
 アメリカの当局者は、この小さな艦:プエブロ号が、自衛能力を持たず、空軍と海軍が援助に急行できなくても、公海上にある限り、合衆国海軍161年の伝統がこの舟を守ってくれるだろう、と考えていた。
 従って、ある意味では、プエブロは滅びるべくして滅んだ艦であった。プエブロの悲運の原因は、北朝鮮側にあるというより、米国の軍事システムそのものの中に内包されていたのである。
 こんなに多くの献身的で立派な人々が、どうしてこんなに多くの大ヘマを犯したのか?どうして誰もが、こんな誤った前提に基づいて事を進めたのか?
 その答えは、システムの体質の中に見出すことが出来るだろう。プエブロ号事件の前、その最中、その後の処理を通じて、米国のシステムはある時は正しく機能し、ある時は上手く働かなかった。
 そのシステムの働きに焦点を合わせることによって、私は、今日アメリカの軍部を悩ませている病根を、より分かりやすく描き出すことが出来ると考えた。一般国民の理解なくして、どんな治療も出来ない。と確信する。
 プエブロ号事件を論ずるときには、「誰を責めるべきか?」と単純に問いかけたくなるのが人情であろう。1969年5月のある朝、私はこの質問を、プエブロ事件を調査した下院委員会委員長・バイク議員に対して行なった。バイク議員の答えは素早く、そして恐らく正しかった。
「ここにいるすべての人々に、十分な罪があると思う」
(感謝の言葉より)
暗号について
* プエブロ号に積載していた暗号書、暗号機、機密書類の緊急破壊の処理要領について
  ・・・・訓練し、破壊処理資材を準備していなくては、緊急時実施は困難!
* 拿捕されている間の、隊員同士の連絡手段について
* 公開された抑留されている間の写真のサインは?・・・手の形は何を表すのか?
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