暗号戦史
「シ行 作品」
作品名 昭和史の謎を追う 上
著者名 秦 郁彦
発行日:1993.3.5
出版社:文芸春秋
形式:四六判
目次
序章 
第1章 田中上奏文から『天皇の陰謀』まで
第2章 張作霖爆殺事件 青年天皇の「熟慮」
第3章 柳条湖事件の新証言 原点に立つ
第4章 昭和天皇の二・二六事件 若殿に兜とられて
第5章 もう一つの二・二六事件 平泉史学と青年将校
第6章 盧溝橋事件(上) 謎の発砲者は誰か
第7章 盧溝橋事件(下) 中共謀略説をめぐって
第8章 論争史から見た南京虐殺事件
第9章 明暗のノモンハン戦秘史(上)
      見捨てられた田原大隊
第10章 明暗のノモンハン戦秘史(下)
      宮崎連隊と深野大隊の勇戦
ストーリーの概要
 昭和という新しい時代を待ちかまえていたのは金融恐慌と張作霖爆殺であった。
 それから六十有余年、日本の運命を左右する大事件が数多く起きた。
 上巻では「田中上奏文偽造」「2・26」「盧溝橋」「ノモンハン」「南京虐殺」「真珠湾奇襲」「ゾルゲ諜報団」「731部隊」などの謎に、徹底的な調査と明快な推理で迫る。

目次の続き
第11章 河豚プランと日本 ユダヤ論の系譜
第12章 ゾルゲ謀報団 東京へ
第13章 関特演 幻の日ソ戦
第14章 真珠湾は燃えているか 奇襲の条件
第15章 真珠湾・対米最後通告の研究
第16章 ミッドウェー海戦―米暗号解読陣の勝利
第17章 マレーシア虐殺報道の奇々怪々
第18章 ゼロ戦盛衰記 太平洋の日米航空戦
第19章 失われた対米諜報 「東」情報と密偵ベラスコ
第20章 「桜花」特攻 大田正一の謎
第21章 日本の細菌戦(上) 七三一部隊と石井四郎
第22章 日本の細菌戦(下) 中国大陸とサイパンで
暗号について
第12章 ゾルゲ謀報団 東京へ
・クラウゼンが打電した報告電だけでも1年に600本を数える。・・・主要電報の概要あり
・特高がクラウゼン宅へ踏み込み、通信文と暗号の乱数表を押さえた。
・NHKは1991年、制作番組のためソ連軍からゾルゲがGRUにあてた電報90点を入手した。
 電報には、番号、受信日時、伝達の日時、暗号解読者と翻訳者の氏名が明記されている。

第14章 真珠湾は燃えているか 奇襲の条件
・メルボルンの英連邦通信諜報班が聯合艦隊発南雲機動部隊宛の命令を傍受・・・真偽不明
・マジックとルーズヴェルトの陰謀との関連・・・・何故真珠湾に情報を速達しなかったか
・フリードマンの功績、日本海軍の偽電工作

第15章 真珠湾・対米最後通告の研究
・外務省本省の電報発信状況と、在米大使館も翻訳作業の時間的推移と処理要領
・土曜日の大使館の態勢、郵便受けの電報は? 奥村のタイプ能力

第16章 ミッドウェー海戦―米暗号解読陣の勝利
・戦闘情報班の解読者たち・・・技術能力、判断能力
・真水装置の偽電・・・米は海底線で平文、米は機密度の低い通信は平文使用・・・日本側は傍受後、暗号で
 AF=ミッドウェー
・日本海軍の暗号更新の時期遅れ
・暦日暗号の解読・・・直前に成功

第19章 失われた対米諜報 「東」情報と密偵ベラスコ
・マジック外交サマリーの解禁・・・トー工作:日本の対外諜報活動
・外務省外交史料館・・・須磨公使からの電報
 ・諜報員(連絡員)の使用する暗号用特殊インキについて
 ・使用暗号の作成は本人
 ・外務省と陸海軍の不仲で、「東」情報が生かされず。
 ・スペインのカルデナス大使から「日本の暗号が読まれている」の情報・・外務省は否定・・・マジック陣は喜ぶ
  ・外務省の処置:暗号機械に「国家機密」と書いただけ
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