暗号戦史
「シ行 作品」
作品名 昭和史七つの謎
著者名 保坂 正康
初出:1999、講談社

発行日:2003.1.15
出版社:講談社
形式:講談社文庫
目次
第1章 日本の「文化大革命」は、なぜ起きたか?
第2章 真珠湾奇襲攻撃で、なぜ上陸作戦を行わなかったか?
第3章 戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?
第4章 「東日本社会主義人民共和国」は、誕生しえたか?
第5章 なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?
第6章 占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかったか?
第7章 M資金とは何をさし、それはどのように戦後の闇を継いでいるか?
番外編 昭和天皇の「謎」
(文庫版に追加)
ストーリーの概要
史実を知れば知るほど、調べれば調べるほど歴史の闇は深まる。
真珠湾奇襲やソ連の侵攻、そして東京裁判の背後にはいったい何が蠢いていたのか?
卓抜な史眼の著者が資料の山に分け入り、数多くの関係者の貴重な証言を基に昭和史に肉薄。

著者曰
「昭和史は、人類の歴史の見本市。この時代には、戦争、敗戦、勝利、占領、被占領、テロ、クーデター、革命騒ぎといった社会的出来事から日常生活の余りにも激しい変貌までを含んでいる。単に年表を見ていたり、事件の顛末をなぞったところで実像は見えたてこない。」

「1〜2話は、日本人の発想や言動を解析することが謎に近づくための近道であり、3話は冷酷な政治対決の中にはつねに情報戦争があったということ、第4話はもしかすると一政治指導者の心中の変化で日本は東西に分割される恐れがあったこと、5話はA級戦犯を裁いた東京裁判のもつ二重性、6話は日本国民は真に聖戦完遂を信じていたか、7話はある特殊な時代に、頭の中で作り上げた空想話がどういう背景を持っていたか、などを基にしながら記述。」

「この謎を解いていくときに、昭和史は改めて日本人論に通じているとの感を持った。そのことを読み取っていただけたら幸いである。そのとき、昭和史は私達にとって今後の生き方、特に21世紀にはいっての生き方を学ぶ上での師になるとの思いがする。」
暗号について
第3章 戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?
この章は、スパイ・ゾルゲ、KGBスパイ(ゾルゲはコミンテルンのスパイであり、別にKGBのスパイが日本にいた)、米による日本の暗号解読について記述されている。
*解読された日本の暗号電報
 ・昭和16年12月7日、なぜ在米日本大使館は「通告」の手渡しが遅れたのか?
  ・日曜日、前日の送別会、慣れないタイピスト、電文が開園通告という認識不足等々
  ・米側は暗号解読により事前に承知」
  以上は一般的に知られている事項。では?
  ・書記官室と暗号解読を行う電信課スタッフの室とが離れ過ぎ。
  ・書記官同士の連携不十分。
  ・タイピストは、米人女性3人。男性も一人いたが11月半ばに退職。・・・・OSS(CIA)の要員では?
   →日常のタイプを通じて相当の情報を入手してたと見るのが妥当。 
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