暗号戦史
「シ行 作品」
作品名 情報戦略    なぜミッドウェー、サイパンで敗北したのか
著者名 上村 健二
発行日:1987.7.25
出版社:泰流社
形式:四六判
目次
第1章 勝算
第2章 第1段作戦の勝利と情報
第3章 ミッドウェーの完敗
第4章 サイパンの崩壊
ストーリーの概要
国家や組織はむろん、一人の人間としても情報を無視して勝利は得られない。軍隊が情報を無視すれば、無用の大損害を受け、悲惨な敗北を招く。
なぜ、日本軍はミッドウェー、サイパンで敗北したのか。戦史に詳しい著者が「情報と戦略」という面から分析。

情報と後方が軽視されたのが大東亜戦争敗北の主因の一つであった。わが国は開戦から終戦まで、敵についての正しい認識、そしてわが戦力についての正しい評価がなかったのではないか。
情報も、保全も軽視されていた。
情報活動はまさに適者生存繁栄の根源である。広範適時の情報収集蓄積に努め、正確な評価判定、適時適切な活用、それから来る先見余地は、生き残り繁栄のための重大な前提である。

目次の細部

第1章 勝算
 ・勝ち目は情報から ・先見洞察の人々 ・限界は2年 ・戦術あって戦略なし ・南方調査研究 ・総力戦研究所
第2章 第1段作戦の勝利と情報
 ・マレー、シンガポール攻略と情報 ・フィリピンの攻略と情報 ・ビルマ進攻作戦と情報 ・第2段作戦のための情報認識の不一致
第3章 ミッドウェーの完敗
 ・連合艦隊の史上稀なる完敗
第4章 サイパンの崩壊
 ・日本軍の対米予測 ・米軍の反攻計画 ・互いにどれだけ知っていたか ・絶対国防圏の崩壊
暗号について
「第3章 ミッドウェーの完敗」に、米軍の暗号解読による情報が日本軍の主要な敗因と述べ、暗号解読されるにいたる経緯を詳述している。
・伊号124潜水艦が、ポートダーウィン沖、水深50mの海底に沈められ、米軍により、各種暗号書が引き上げれた。日本軍はその事実を真剣に調べなかった。同様の戦例は、ドイツの軽巡ムグデブルグ号でもあった。
・米海軍は、開戦時約30名の通信諜報隊を120名に増加させ、日本海軍の暗号解読を続けた。
・日本軍の次期作戦地点AFの解明のため、「ミッドウェーの蒸留器が故障」という電報を平文で発信し、ウェーキ島の海軍がそれを東京に連絡するのを傍受し、AFがミッドウェーであることを確認した。
・米海軍は、日本の海軍連合艦隊の通信を傍受し、その行動、部隊組織、指揮官名等、殆どつかんでいた。
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