暗号戦史
「シ行 作品」
作品名 昭和の戦争8 諜報戦争   ジャーナリストの証言
著者名 責任編集:今野 勉
発行日:S60.12.25
出版社:講談社
形式:四六判
目次
◎ 視点
   諜報をめぐるケース・スタディ:今野勉
◎ 証言
 T 情報・諜報・秘密戦:丸山静雄
 U 秘匿と暴露の戦い:三樹春生
 V バンジェルマシン事件:奈良弘美
 W 「仏印処理」のなかで:富永豊文
 X ジャングルを縫って:丸山静雄
 Y 暗号解読の内幕:赤羽龍夫
 Z 三つの鎮魂歌:木村登
 [ 情報戦争:森恭三
● 年表:光井裕二
 
ストーリーの概要
戦争に参加したジャーナリストの体験から述べられた戦争における諜報戦争の実態。
暗号について
◎ 視点
   諜報をめぐるケース・スタディ:今野勉
 * 太平洋戦争における情報戦争で日本が敗北したと言う場合、その意味するところは、暗号戦での敗北ある。
    米によるパープル暗号、海軍D暗号の解読。日本側では体系的に実施された痕跡は見当たらない。

◎ 証言
 T 情報・諜報・秘密戦:丸山静雄
  * 情報活動の本来業務に、「無線の傍受、有線電話の盗聴、録音、暗号解読・・・・」がある。
  * 防諜:暗号・隠語は人の行動を隠す。
  * 秘密戦:連絡に暗号、隠語を使用する。

 U 秘匿と暴露の戦い:三樹春生
  * 米海軍の暗号解読班長・ロシュフォード中佐の活躍・・・ミッドウェーの「AF」の解明
  * 平文通信の偽電作戦・・・ガダルカナル島からの撤退作戦で成功。
  * 暗号と解読の事例
  * 「伊124」から暗号書を引き上げられた・・・日本側は予測もしなかった。
  * ブラック・チェンバー・・・暴かれる日本側暗号
  * 山本五十六の戦死
 
 Y 暗号解読の内幕:赤羽龍夫
  * 参謀本部第18班:中央特殊情報部で勤務体験
  * 暗号の種類とその解読
   ・ 共産党の地下活動の暗号解読
   ・ 換字暗号、転置暗号、2冊制暗号、乱数暗号、機械暗号についての解説、解読の要領。
  * 開戦前夜の東條の焦慮
   ・ 東京の英大使館から本国宛の電報を解読・・御前会議の模様・・・誰が漏らしたか?
  * ドイツの暗号
   ・ 部分的には解読できたが困難・・・憲兵隊がドイツ暗号を盗む計画・・・東條首相が「否」
  * 恐るべき憲兵隊
   ・ 暗号解読室だけでは解読困難・・・憲兵隊の協力
   ・ 英、独、仏、スイス、スペイン、ポルトガルの外交機関の暗号を狙った。
   ・ ある白系ロシア人が、中立国の暗号を莫大な値段で売り込みに来た。・・・このスパイは憲兵隊に殺された?
  * 不気味なソ連
   ・ ソ連の大使館は手がでなかった。
   ・ 関東軍付きの第18班の者が、暗号書等を持って、ハルピンのソ連領事館に駆け込む。
     ソ連は、日本のハルピン憲兵隊に引き渡す・・・日ソ不可侵条約有り・・・荒立てたくない
   ・ ソ連の乱数表は、1枚1枚が赤い紙で包まれ、ミシンで閉じてあり、スパイが写すことは不可。
  * 原爆搭載機の呼び出し符号
   ・ 解読が出来ず、通信情報に期待・・・B29の呼び出し符号の変化に気づくが原爆だとは分からず。
  * 最後の電報
   ・ 終戦の1週間前、御前会議の情報が漏れている・・・スイスか?・・・本国から駐日スイス公使宛電報
 Z 三つの鎮魂歌:木村登
  * 重慶軍の暗号解読

● 年表:光井裕二
  暗号関係がかなり記述されている。
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