作品名 |
真珠湾・リスボン・東京 続・一外交官の回想 |
著者名 |
森島 守人 |
|
初出:S25.9.20;岩波書店
発行日:191.11
出版社:岩波書店
形式:新書 |
目次
1 アメリカの対日空気
2 日米通商条約廃棄される
3 陸軍の民間借款運動
4 矢継ぎ早の禁輸措置
5 資産凍結指令来る
6 松岡旋風人事
7 日米交渉の側面観
8 破局
9 対米戦決定の底意
10 欧米の窓、リスボン
11 日本軍のチモール島占領
12 マカオをめぐって
13 かくれたる政治家、サラザール首相
14 フランコ何処へいくか
15 リスボンから見た和平の動き
16 戦後処理に関するアメリカの態度
17 アメリカの日、独処理方針
18 大戦中の米ソ関係
19 帰国
20 対米通告遅延の責任問題
21 日米外交の俯瞰図
22 今後の対外政策について |
ストーリーの概要 |
アメリカとヨーロッパに在勤中当面した日米交渉の裏表,真珠湾奇襲前後のアメリカ,国際都市リスボンの諜報戦,ポルトガルの偉材サラザールの横顔,大戦中の微妙な米ソ関係等を回想
最後の章では当時の日本の外交政策について提言 |
暗号について |
20 対米通告遅延の責任問題
* 12月7日の最後通告遅延の責任問題の後始末如何
・日本内地では秘せられていたが、極東軍事裁判の進行に伴い、責任問題が生じるだろう。
・遅延の内部事情を知らないアメリカは、表面交渉難を装いつつ真珠湾奇襲に出たとの不信感
→ 何も処置しない外務省に不信感・・・吉田外相に善処を求めた
* 真相
・13通は6日中に大使館に到着、電信課は書記官室に提出済み
・14通目は7日朝、手交時間指定電も前後して到着。しかし、宿直員が日曜日であり、教会に出かけ放置。
・手交時間指定電は、外務省で「大至急」の符号をつけ忘れ
・書記官室で、13通を6日に徹夜してでも浄書完了すべきのところ、館員の送別会を優先。
・野村大使は、電報の狂いの問い合わせで遅れていると解釈していたらしい。
*この重大な手落ちに対し、何らの措置もとられず、責任も味覚にされないまま終わった。
|