作品名 |
深海からの声 Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐 |
著者名 |
富永 孝子 |
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発行日:2005.8.15
出版社:新評論
形式:四六判 |
目次
序章
第1章 『U234』出航準備
第2章 凶となった『U234』の遣日任務
第3章 空の骨箱と妻正子
第4章 生い立ち
第5章
任官・仮締ボルト時代
第6章 潜水艦一筋・結婚
第7章 遣独の旅
第8章 ドイツでの足跡
第9章 それぞれの戦後 |
ストーリーの概要 |
第二次大戦も終わりに近づいた一九四五(昭和二〇)年三月二四日、北ドイツのキール軍港からUボート234号が極秘裡に日本へ向かった。
同艦には積載限度いっぱいの独軍機密兵器、設計図、そして五六〇キロの酸化ウランが秘匿され、ヒットラー暗殺計画グループの一員と疑われていた独空軍大将ケスラーや選り抜きの独海軍技術陣とともに、二名の日本海軍技術士官が便乗していた。
航空機エンジンの権威庄司元三技術中佐四二歳、そして潜水艦設計の第一人者友永英夫技術中佐三六歳である。
敵機来襲や艦内故障など六度の危機を克服するも、北大西洋南下途上の五月八日、U234はドイツ無条件降伏を受信する。
艦内は騒然。迫りくる英海軍の追跡を振り切りながら、艦長は苦渋のすえ米海軍への投降を決断。
監禁された二人の日本海軍技術中佐は遺書を残して自決、水葬された―。 |
暗号について |
第2章 凶となった『U234』の遣日任務
* 英海軍は「U234]の任務キャッチ
・1945.4.30、英海軍諜報記録〈ウルトラ〉に独無線の傍受解読記録あり。
* 独降伏後、無線は混乱
・5.8、ドイツ全面降伏後、暗号無電は禁止、過去の暗号コードを消す指示
・日本の暗号コードを使用した無線通信あり・・・航海を続けるか、続航か。
* 英・米、無線で「U234]争奪戦
・U234は、英に降伏したくなかった。米艦と連絡するため周波数操作。米艦は、英の無線を電波妨害
* 無念の水葬
・5.9、英海軍からの独Uボートへの指令・・・ドイツ語の平文
* 「U234]拿捕、艦内の喜劇と悲劇
・5.15、米艦乗員の来る前に、通信士は機密書類、暗号書を処理・・海中投棄には間に合わない。
大きな袋に暗号書を入れ、その上に水気のある生ごみを入れて機関室に置く。万一発見されても、インクは消える。
* 「伊58]、米原爆輸送船を撃沈
・米海軍は、「伊58]の発信した「敵戦艦撃沈」の暗号電を解読したが、内容を理解しなかった。
第6章 潜水艦一筋・結婚
* 大事故「第4艦隊事件」発生
・「初雪」の艦首には暗号書などの機密書類・・・・撃沈し、海底に葬る。
* 太平洋戦争勃発、特殊潜行艇装置開発
・米は、日本政府の暗号を解読していた。
* 造船現場の苦闘
・シュノーケルに関する情報と細かな指示を、暗号、電話を介しては、困難。
第8章 ドイツでの足跡
* 空襲下でのベルリンに立つ
・山本五十六長官の死・・・各基地に出された手配電報の暗号を解読された。
* 「伊52」の謎を明かしたNHK
・便乗帰国予定者名簿が、日本ではなく、暗号を解読した米国側に保管されていた。
* 二度帰国を延長した友永
・機械暗号の活用
・大使館の電話をナチスが盗聴・・・鹿児島弁で通話 |