暗号戦史
「ス行 作品」
作品名 スターリンの対日情報工作
著者名 三宅 正樹
発行日:2010.8.10
出版社:平凡社
形式:新書
目次
はじめに
第1章 クリヴィツキーの諜報活動
第2章 ゾルゲ諜報団
第3章 ゾルゲと赤軍第四本部との関係
第4章 オット駐日ドイツ大使が受けた衝撃
第5章 トルストイの暗号解読
第6章 日本人スパイ「エコノミスト」
おわりに
ストーリーの概要
 主としてゾルゲ事件について、情報の昭和史という視角から書かれている。
 日独防共協定をめぐるベルリンでの武官大島浩とナチ党外交機関長リッペントロップとの秘密協定の全貌を把握したクリヴィツキーの情報活動について分析
 日本軍は1941年中は極東ソ連軍との戦争を考えていない、という第3次近衛内閣の商工大臣で元海軍次官左近司政三による、41年9月6日の御前会議決定を先取りした発言をスターリンに提供した日本人スパイ「エコノミスト」について書かれている。
暗号について
はじめに
 * スターリンは、東京とモスクワの間の日本の暗号電報を解読
  ・国家保安人民委員部第5課調査課・・・担当:セルゲイ・トルストイ
 
第1章 クリヴィツキーの諜報活動
 * クリヴィツキーは、日独防共協定をめぐるベルリンと東京の間の暗号解読について告白
  ・ ナチが大島将軍と東京の間の電報の暗号解読・・・それを機関員から入手・・写真複写
  ・ モスクワの日本大使館から暗号解読書(暗号書)を入手した。
  ・ 陸軍の武官と参謀本部の間の暗号解読は、陸軍にとって耐えがたい恥辱だったろう。

第2章 ゾルゲ諜報団
 * ゾルゲ発の暗号電報の受信翻訳のモスクワ側担当者シトロキンは、日本のスパイと疑われていた。

第3章 ゾルゲと赤軍第四本部との関係
 * クラウゼンが、暗号電報の担当・・・具体的記述はない。
 
第4章 オット駐日ドイツ大使が受けた衝撃
* ハルビンでの電報送受信に米副領事リリストレームが協力

第5章 トルストイの暗号解読
 * モスクワでの日本の暗号解読主催者は、セルゲイ・トルストイ
 * 関東軍の通信も対象
 * ゾルゲの情報の裏付けとなった。

第6章 日本人スパイ「エコノミスト」
 * 暗号名「エコノミスト」とは誰か?
 * モスクワの米国大使館、日本大使館の暗号電報の傍受解読を実施していた。
 * ヴェノナ・・・米によるソ連の暗号解読
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