暗号戦史
「タ行 作品」
作品名 大戦略なき開戦    旧大本営陸軍部一幕僚の回想
著者名 原 四郎
発行日:1987.4.24
出版社:原書房
形式:四六判
目次
第1章 大陸政策の変遷
第2章 戦争指導機構の実体
第3章 欧州戦局の激動に伴う日本の選択の誤り
第4章 日独伊三国同盟締結後は致命的失敗
第5章 決意なき戦争準備の功罪
第6章 北部仏印進駐には陸軍の悪い面が錯綜
第7章 日米交渉は失敗すべくして失敗
第8章 日蘭交渉における日本の醜態
第9章 南部仏印進駐が日米戦争を触発
第10章 独ソ開戦は日本の重大転機
第11章 一国の開戦決意
第12章 開戦時における戦争指導計画上の問題点
ストーリーの概要
 著者は、政府の政略と、大本営の戦略の調整を主務とする参謀本部第20班に勤務た。
 終戦後、復員局資料整理部に勤務、また、防衛庁防衛研修所戦史室にも勤務する等、前後15年、「何故に日本は敗れたりや」の研究を続けた。

 明治以降の日本の大陸政策、満州事変より大東亜戦争敗戦までに至るまでの日本の国策遂行にあたっての苦難の道程をたどり、特に第2次世界大戦勃発より大東亜戦争開戦に至る間、および大戦間の我が生戦略の不調和、戦争指導機構の不備、陸海軍間の戦略構想の吻合の不全等の事実を、当時の責任幕僚の証言と資料により解説。
暗号について
第7章 日米交渉は失敗すべくして失敗
(1) 外交の「いろは」を逸脱
*外交暗号の被解読
 ・日本外交の強度の低い暗号は、昭和12年頃から、強度の強い暗号は昭和15年9月ごろからアメリカに解読されていた。
 ・米国は、その9ヶ月後には暗号機の模造に成功、外交暗号の殆どを解読利用。駐米海軍武官暗号も。
 ・コーデル・ハルの回想録に、マジックについて記述されている。
 ・重大な誤謬・・・解読時の翻訳誤り
  (例)日本側甲案の解読: 「尚四原則については」→「(4)、原則として」・・・甲案を誤解、否曲解される。
 ・石井秋穂大佐は米による暗号解読に気づき、注意喚起
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