暗号戦史
「タ行 作品」
作品名 太平洋の試練 上・下  (War at in the pacific 1941-1942)
著者名 イアン・トール   (IAN W.TOLL)   (訳:村上和久)


発行日:2013.6.15
出版社:文藝春秋
形式:四六判
目次

序章 海軍のバイブル
第1章 真珠湾は燃えているか
第2章 ドイツと日本の運命を決めた日
第3章 非合理のなかの合理
第4章 ニミッツ着任
第5章 チャーチルは誘惑する
第6章 不意を打たれるのはお前だ
第7章 ABDA司令部の崩壊
第8章 ドゥーリットル、奇跡の帝都攻撃
第9章 ハワイの秘密部隊
第10章 索敵の珊瑚海
第11章 米軍は知っている
第12章 決戦のミッドウェイ
終章 何が勝敗を分けたのか
ストーリーの概要
(上)
 山本五十六は言った。「あれで、真珠湾をやれないかな…」
 戦争の勝敗は、戦艦を中心とする艦隊が一気に敵を殲滅する海戦で決する。 古今東西の海戦を研究したアナポリスの教官が書いた一冊の本が日米両海軍の理論的支柱となった。
 ところが、日本海軍に生まれた一人の異端児が、その教義に根本的な疑問を抱き空母の艦隊による航空一斉攻撃という革命
的手法を発案する。「日本が戦争に勝っていた一八〇日間」。
(下)
 ニミッツは決断する。
 「情報力をもって戦力差をあえてひきうける」真珠湾攻撃によって戦艦のほぼ全てを失った米国。英国のZ艦隊も、日本の航空攻撃で壊滅。圧倒的な戦力差で、正確な時刻表のように、太平洋地域を、席巻する日本陸海軍。
 しかし、そのころハワイの秘密部隊が着々と日本軍の暗号解読作業を進めていた。
 圧倒的な戦力差を、情報力で覆すことはできるのか?あなたが山本ならニミッツならどうしたか?
暗号について
第10章 索敵の珊瑚海
*ロシュフォートの地下室からは長距離暗号無線で新しい通信情報が毎日たえず流れていた。ヨークタウンの通信室で傍受され暗号解読され指令艦橋の提督に届けられた。
*ハイポ局は高木提督に伝達された命令の中身を解読して、重要な利害関係者に配布した。

第11章 米軍は知っている
*ハイポ対OP-20-G
・オアフ島の小高い僻地の無線傍受局が日本軍の暗号化電文を拾い上げていた。
・伝書使が、ロシュフォートの暗号解読班の所在地である第14海軍区司令部の地下室に運んだ。
・日本海軍の無線交信の60%を傍受し、その約40%の暗号解読を試みて、それらの10〜15%の解読に成功。
・5月12日、ロシュフォートはレイトンに「熱々の情報」が入ったと連絡・・・「AF」
・ワシントンとハワイとのAFの解釈の違い・・・・平文での儀信・・・日本海軍は引っかかる
・AFはミッドウェイと確定。作戦開始日の解読に苦心・・・6月3日と解読

終章 何が勝敗を分けたのか
*情報の勝利
・暗号解読班、ロシュフォートの努力
 ロシュフォートの才能:豚の耳から絹のハンドバックを作る。
・ワシントンのレッドマン兄弟の陰謀・・・手柄を横取りする・・・暗号解読はOP-20-Gの成果だ。
 ロシュフォートは勲章を受けることが出来なかった。
 →ロシュフォートは「最善を尽くしたんだ。今その話に立ちいっても得られるものはない。」

●その他、数カ所に暗号、暗号解読は出てくるが、本書はそれが狙いではない。
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