暗号戦史
「ト行 作品」
作品名 動乱はわが掌中にあり    情報将校明石元二郎の日露戦争
著者名 水木 揚
初出:1991.6;新潮社

発行日:H6.7.1
出版社:新潮社
形式:文庫
目次
第T部
第1章 二匹の黒豹
第2章 北方の美女のもとへ
第3章 日露破局
第4章 フィンランディアのように
第5章 檻から躍り出た黒豹
第U部
第6章 薔薇の里の革命家たち
第7章 岩は動いた
第8章 サッチョー邸の密談
第9章 ユダの功罪
第V部
第10章 怪僧ガポン
第11章 のろしは上がった
第12章 盗まれていた暗号
第13章 ジョン・グラフトン号の船出
第14章 長蛇逸せり 
ストーリーの概要
日露戦争のさなか、欧州にあって背後から帝政ロシアを崩壊させるべく暗躍した日本人がいた。
陸軍大佐明石元二郎は、フィンランドの独立を夢見る革命家コンニ・シリアクスと共に策動してロシア革命の火付け役となった。諜報活動に於いて常に後れをとってきた日本では希有の、大物スパイの実像に迫る。歴史を動かした男たちが、全欧州を舞台に繰り広げるスリルに満ちた情報工作記。
暗号について
第2章 北方の美女のもとへ
 ・ 福島安正のシベリア横断時の暗号:漢詩や略号の使用

第5章 檻から躍り出た黒豹
 ・明石から参謀本部に送ってきた小包に1枚の銅板が;一人の将校が石碑の前で泣き崩れる図・・・何を意味するのか

第12章 盗まれていた暗号
 ・明石が使用したスパイの姓名は、アルファベットの頭文字のみ
 ・初歩的な暗号使用
  ・文章の間に意味のない約束語を入れる
  ・文章の転置
  ・商品と数字を組合わせて別の意味を伝える(隠語)
  ・秘密インキ
  ・辞書のページ数、行数の利用
  ・新聞の文字に穴をあける
 ・敵は日本の在外公館から暗号書を盗撮
 ・小国で暗号管理のゆるそうなオランダの駐在日本大使館・・・ロシア人をオランダ人と称して女中で送り込む

第14章 長蛇逸せり
 ・帰国時の暗号書の処理・・・焼却

*明石が名付けた関係者の日本名
 ・「ガボン」―「瓦本」、「セミノフ」―「蝉伸」、「シリアクス」―「知矢」、「チャイコフスキー」―「茶猪子」、
  「デカンスキー」―「泥干」、「レーニン」―「礼仁」
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