暗号戦史
「ワ行 作品」
作品名 私も或る日、赤紙一枚で   ―ある応召暗号兵の記録―
著者名 太田 俊夫
発行日:S59.8.1
出版社:光人社
形式:四六判
目次
プロローグ
第1章 ヨモギの中の兵隊
第2章 陸軍暗号の秘密
第3章 はてしなき戦場
第4章 破局と出発
ストーリーの概要
 陸軍の暗号は解読されずに終わった。この作品は、陸軍暗号史の一端にふれた貴重な戦史。
 一兵卒の生き死にこそ、戦争の姿があると言っていい。自ら弱兵と認める太田氏の戦場での生活記録には、淡々とした、てらいのない筆致によって一個の人間の姿が浮き彫りされ、哀しくあると同時にユーモアにもにじみ出ている。
 (序:吉村昭)

目次の細部
プロローグ
第1章 ヨモギの中の兵隊
・凄まじき無法地帯 ・果てしなき原野 ・兵隊たちの墓標 ・断末魔の声 ・慰安所の女 ・塹壕の中 ・暗号修業兵 ・軍隊という牢獄 ・夢の桃源郷 ・暗号の神様
第2章 陸軍暗号の秘密
・解読と組み立て ・軍隊の表裏 ・兵士の心得 ・怒りと恐れ ・迅速、的確 ・黄砂の嵐 ・推理と創造 ・悪と平等
第3章 はてしなき戦場
・皇軍の兵士 ・湖畔の宿 ・軍人会館の女 ・悪魔との取り引き ・営倉の中の上等兵 ・大隊本部暗号班 ・慰安婦ミドリ ・逃亡兵捜索隊 ・戦友の遺骨 ・茜色の空
第4章 破局と出発
・暗号兵と通信兵 ・配送の中の悲劇 ・包囲下の警備隊 ・暗号書焼却 ・硝煙の戦野
暗号について
第1章 ヨモギの中の兵隊
*暗号修業兵
 ・米の参謀長:日本陸軍の暗号解読が出来ていない。だから、第11軍がどこで進撃を停めるか誰にもわからない。
 ・暗号修業兵の命令:陣地勤務よりはらくだ。「1に通信、2にラッパ、3に炊事のつまみ食い」よりも!
*軍隊という牢獄
 ・総員55名:若い予備士官、乙幹の軍曹、補充兵等・・・旧制中学校卒業以上
 ・訓示受け・・・暗号は軍の機密、独り歩き禁止、階級と年次を忘れよ、
*夢の桃源郷
 ・暗号兵は通信には関係ない。格が上。軍の神経
 ・中国軍の暗号解読成功・・・明密電嗎新書:民間で打っている辞書を使用。
*暗号の神様
 ・陸軍:ヤン・コワレンスキー大尉の教育
 ・米は外交暗号、海軍暗号を解読・・・ヤードレー、フリードマン
 ・陸軍・原久中尉・・無限乱数表の採用
第2章 陸軍暗号の秘密
*解読と組み立て
 ・陸軍暗号書、乱数表の種類、作成法、配分等
 ・軍隊用語の習得
 ・組み立て、解読要領
*怒りと恐れ
 ・ノート禁止、使用した紙は焼却、反復訓練
*迅速、的確
 ・玉砕時の暗号書等の償却訓練・・・要領
*推理と創造
 ・ヤードレー:中国で日本の暗号解読・・失敗、2年後に帰国
 ・憲兵暗号 
*悪と平等
 ・「松の殿様」「桐の殿様」とは誰のことか?
第3章 はてしなき戦場
*皇軍の兵士
 ・乱数表の作成・・・ごまかし
*大隊本部暗号班
 ・崩れた受信電の判読に成功・・・班長代理に僻まれていじめにあう
*茜色の空
 ・暗号室の状況
第4章 破局と出発
*暗号兵と通信兵
 ・双方の和が重要
*暗号書焼却
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