暗号戦史
「ヤ行 作品」
作品名 ヤマモト・ミッション (山本五十六司令長官機撃墜を可能にしたもの)
著者名 平塚 柾緒
発行日:2010.6.23
出版社:PHP研究所
形式:四六判
目次
序章 米太平洋艦隊艦隊無線班―暗号解読室に飛び込んできたビッグ情報
第1章 連合艦隊司令部の前線進出―戦局の分水嶺・ガダルカナル島の死闘
第2章 南海の死闘―日米艦隊のはてしない消耗戦
第3章 死の島からの脱出―「ケ」号作戦の裏で熾烈な日米諜報戦
第4章 山本長官、最前線に立つ―米軍の空海戦力撃滅を狙った「い」号作戦
第5章 運命の前線視察計画―アメリカが練り上げた山本長官謀殺作戦
第6章 「ヤヤモト・ミッション」
     ―「アヒルどもの中には一羽の孔雀がいたようだね」
終章 国葬―里帰りした山本長官搭乗機
ストーリーの概要
 太平洋戦争における日本の敗北は、対戦国であるアメリカとの生産力の差が大きな原因であったと、定説として言われてきた。
 それは確かに歴然たる事実であるが、その他にも大きな戦略的原因が存在した。

 それは、「情報戦」ということへの取り組みの差である。

 この「情報戦」について、アメリカがいかに熱心であったか、反して日本がいかにいいかげんであったかを、「山本五十六司令長官機撃墜事件」をケーススタディの素材として取り上げ、「情報戦の敗北」を明らかにしている。

目次の細部
序章 米太平洋艦隊艦隊無線班―暗号解読室に飛び込んできたビッグ情報
 ・早朝の米太平洋艦隊司令長官室 ・孔雀を撃ち落とせ!
第1章 連合艦隊司令部の前線進出―戦局の分水嶺・ガダルカナル島の死闘
 ・早暁の「大和」に届いた緊急電 ・姿を消した現地住民 ・連合軍の南西太平洋の監視網 ・魚雷で狙われた戦艦「大和」
 ・再び米潜水艦に狙われた「大和」艦隊 ・ガダルカナルをめぐる陸海の死闘 ・忍び寄るガ島の飢餓地獄
第2章 南海の死闘―日米艦隊のはてしない消耗戦
 ・レーダーに敗れたサボ島沖夜戦 ・ガ島の飛行場を艦砲射撃で潰せ! ・一挙逆転なるか第二師団の総攻撃
 ・まだまだ続くガ島の絶望的な戦い ・海戦史上まれにみる大乱戦 ・ガ島砲撃成功後に受けた空襲 ・開戦以来、初の戦艦対戦艦の砲撃戦
第3章 死の島からの脱出―「ケ」号作戦の裏で熾烈な日米諜報戦
 ・旧友・今村均中将の来訪 ・今村中将に語った山本長官の本音 ・ガ島に顔をそろえる”狩人”たち ・前線兵力の消耗に驚愕した大本営参謀
 ・ガ島撤退はいかに行われたか ・イ号潜水艦撃沈で暗号機が聴きに ・ガ島沖で展開された暗号書奪取作戦
第4章 山本長官、最前線に立つ―米軍の空海戦力撃滅を狙った「い」号作戦
 ・米軍の攻勢に危機感を募らせる山本長官 ・ダンピール海峡に消えた輸送船団 ・空母搭載機のラバウル進出 ・搭乗員に訓示する山本長官
 ・山本長官待望の「い」号作戦開始 ・日米で戦果と損害が大きく違ったY攻撃 ・幻の大戦果で「い」号作戦をあっさり中止
第5章 運命の前線視察計画―アメリカが練り上げた山本長官謀殺作戦
 ・前線視察に積極的だtった宇垣参謀長 ・長官の前線視察は危険だ! ・大統領も承認した「ヤマモト・ミッション」
 ・長官機の護衛に選ばれた六名の零戦搭乗員
第6章 「ヤヤモト・ミッション」 ―「アヒルどもの中には一羽の孔雀がいたようだね」
 ・ミッチェル狩猟隊の出撃 ・眠気を催す日曜日の前線視察行 ・完璧だった「ヤマモト・ミッション」 ・操縦席から見た山本長官の最期
 ・見事だったP38の長官撃墜 ・「アヒルどもの中に一羽の孔雀がいたようだね」 ・墜落現場で椅子に端座していた長官
 ・撃墜食後、山本長官は生きていた? ・またもアメリカの謀略に引っかかった日本軍
終章 国葬―里帰りした山本長官搭乗機
 ・日比谷公園の特設斎場で行われた国葬 ・郷里で始まった山本長官搭乗機の里帰り運動 ・ウルトラCのハプニング
暗号について
目新しいものは殆どない。過去の戦史(暗号関係)に取り上げられたものを分かり易く纏めている。
序章 米太平洋艦隊艦隊無線班―暗号解読室に飛び込んできたビッグ情報
 長官視察の暗号電を、米軍が傍受解読し、山本長官の行動を把握、撃墜を決心、命令

第3章 死の島からの脱出―「ケ」号作戦の裏で熾烈な日米諜報戦
 ・イ号潜水艦撃沈で暗号機が危機に
  潜水艦の行動を暗号解読で承知した米軍は、潜水艦を撃沈。
  潜水艦は、暗号書の焼却を命ぜらえたが、全部を出来なかった。
 ・ガ島沖で展開された暗号書奪取作戦
  第6艦隊は、潜水艦撃墜に向うが米軍に阻止される。 米軍は潜水艦から暗号書類を捕獲
  日本海軍は暗号を変更。しかし、暗号書類を捕獲した米軍は、日本海軍の暗号方式を解読。解読可能となった。

第6章 「ヤヤモト・ミッション」 ―「アヒルどもの中には一羽の孔雀がいたようだね」
 ・ミッチェル狩猟隊の出撃
  暗号解読により山本長官の行動を把握
 ・完璧だった「ヤマモト・ミッション」
  米軍の思いのままの撃墜作戦・・・・暗号解読の勝利
 ・操縦席から見た山本長官の最期

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