暗号戦史
「ヨ行 作品」
作品名 四人の連合艦隊司令長官
著者名 吉田 俊雄
発行日:S56.7.25
出版社:文芸春秋
形式:四六判
目次
序章 四人の人間像
第1章 山本五十六の作戦
第2章 古賀峯一の作戦
第3章 豊田副武の作戦
第4章 小沢治三郎の作戦
終章  大西滝治郎の言葉
ストーリーの概要
 太平洋戦争における日本海軍の四人の連合艦隊司令長官についてその作戦等を記述。
 4人の長官のうち、3代目までは所謂軍政家で、本当の艦隊勤務のなかで腕を磨いてきた人は小沢長官だけだった。しかし出番があまりに遅すぎ、たった2ヵ月半だった。
 日本軍には「作戦研究」はあったが「戦争研究」はなかった。(富岡定俊少将)
 山本だけは着目したが艦隊幹部は「作戦研究」一辺倒だったことに問題があった。

目次の細部
序章 四人の人間像
 ・山本五十六 ・古賀峯一 ・豊田副武 ・小沢治三郎
第1章 山本五十六の作戦
 ・開戦 ・真珠湾 ・マレー沖 ・ハワイ攻略 ・第2段作戦 ・モレスビーとサンゴ海 ・ミッドウェー ・ガダルカナル ・「い」号作戦
第2章 古賀峯一の作戦
 ・新長官着任 ・米軍の本格的犯行 ・ブーゲンビル ・トラック空襲 ・パラオ
第3章 豊田副武の作戦
 ・マリアナ ・ビアク ・サイパン ・回天、桜花 ・台湾沖航空線 ・レイテ沖海戦 ・神風 ・硫黄島 ・沖縄 ・潜水艦戦
第4章 小沢治三郎の作戦
 ・本土 ・剣と烈 ・終戦
終章  大西滝治郎の言葉
暗号について
第1章 山本五十六の作戦
*モレスビーとサンゴ海
 ・米海軍による日本海軍の暗号解読の成功により、サンゴ海に空母をタイミング良く急派
*ミッドウェー
 ・米による暗号解読の成功・・・当時、日本海軍は誰も気づかなかった。
 ・暗号解読に負けたのではなく、自分自身の作戦に負けた
*ガダルカナル
 ・日本海軍は、暗号解読は出来なかったが、通信情報、通信庁の成果で米海軍の動向を相当の確度で判断した。
 ・ガ島からの撤退成功・・・たまたま米軍に解読されている暗号を使用しなかった
*「い」号作戦
 ・米による長官の視察電報の暗号解読・・・日本海軍は機密保持とか暗号保全に無頓着

第2章 古賀峯一の作戦
*パラオ
 ・参謀長機遭難・・・Z作戦要領と共に暗号書を奪取される・・・追求せず事実を隠す

第4章 小沢治三郎の作戦
*終戦
 ・終戦直前の錯誤・・・暗号化の誤りから米軍来襲の対応を誤る
  ・「大島」と「大鳥島」の組立誤り
  ・通信処理の誤り、指揮官への配布遅延、全文翻訳せず、受信漏れ、中継漏れ等の失策多発
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