海外の暗号小説
第103話 日吉台・聯合艦隊司令部地下壕の見学 H23.10.5
先日、東急東横線・日吉駅前の慶応義塾大学に遺されている旧海軍・聯合艦隊司令部が使用していた司令部地下壕を見学してきた。
雨ではあったが、中に入れば、支障はない。しかし、地上に遺された施設は足場が悪いので見に行けなかった。
*日吉台における海軍
・ 1944.3.13 慶応義塾は校舎を含む5万坪の日吉キャンパスを海軍省に貸与
       軍令部第3部(情報部)が、慶応義塾の第一校舎に入る。
・ 1994.7中旬 海軍第303設営隊が第一校舎西側に軍令部第3部の待避壕を構築
・ 1944.8.15 海軍第3010設営隊と第303設営隊が協力して聯合艦隊司令部地下壕構築開始
・ 1944.9.10 海軍省功績調査部が日吉台国民学校を接収
・ 1944.9.29 聯合艦隊司令部が旗艦「大淀」から慶応義塾の寄宿舎へ移動、第1作戦指令所とする。
・ 1945.1   海軍艦政本部の地下壕を、近くの大聖院「夕日山」に地下壕構築開始
・ 1945.9.8 日吉キャンパス、米軍に接収

*地下壕
・ 4カ所:@聯合艦隊司令部、軍令部第3部・東京通信隊等 A軍令部第3部待避壕 B人事部地下壕
      C艦政本部(未使用・終戦) 総延長2600m
       現在、見学できるのは、@の聯合艦隊司令部が使用した地下壕のみ
・主用施設:司令長官室、電信室、
暗号室、作戦室
・電力 地上からの配線、停電時の発電室、蛍光灯使用

・電信室:約40台の短波受信機、約100名勤務
暗号室:約100名の暗号員

*トピックス
・1945.4 
大和への攻撃命令発信
      米軍による空襲の被害状況、艦が傾いていく様子の入電受信
・司令長官以下幕僚は、通常は地上の寄宿舎内作戦室で勤務。空襲等時地下で会談を降り、地下壕へ。

*慶応義塾大学の好意で、聯合艦隊司令部地下壕は見学できる態勢にある。しかし、他の地下壕は、危険な様態にあり、入口が塞がれ、中に入ることは出来ない。

*地下壕内の見学は、「日吉台地下壕保存の会」の計画する案内以外は入れない。また説明を受けないと何処がどの施設かも不明である。一度は見学する価値がある戦争遺跡かと思う。 

地下壕配置図(拡大写真は画像をクリック)

聯合艦隊司令部詳細図(拡大写真は画像をクリック)

地下壕入口

司令長官室

暗号室

電信室
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