海外の暗号小説
第27話 M4プロジェクト、エニグマ暗号文を64年ぶりに解読 H18.3.19
・第2次世界大戦中にナチス・ドイツがエニグマ暗号機を使って発信した暗号文のうち、未解読だった三つの電報文の1つが2月20日、64年ぶりに解読された。また、3月7日には2通目が解読され他と言う。3通目の解読も、時間の問題であろう。

・1995年に、三つの未解読暗号文が専門誌に掲載され、アマチュア暗号解読家が謎解きに挑戦。そのうちの一人、ドイツのアマチュア暗号解読家が、自ら暗号解読ソフトを開発してインターネット上で公開し、最終的に2500人の有志らがコンピュータの空き時間を提供し、所謂分散型コンピューティングにより、解読作業を進めた結果、解読できたと言う。このプロジェクトは、1月9日に開始されたと言う。

・ドイツのエニグマ暗号文は、大戦中英国のブレッチリー・パークにあった暗号解読機関で解読されていたが、1942年ドイツが新しいエニグマ(ローターが4つ)に変更し、傍受した暗号文の解読が困難になったと言う。英国は、初期のコンピュータを開発し、設定可能な数を人力作業で絞り込むことにより、何とか解読しつつあったらしい。

・解読された電文は、「攻撃で緊急潜水。敵を追跡中」等の内容で、ドイツのUボート「U264」の航海日誌に同じメッセージがあると言う。

・こういう暗号解読家がいることが、素晴らしいことだと思う。電報文の内容は、今となっては意味が無いことかもしれないが、未解決の問題を、相互に知らない人々、特に、人種・国別・性別等を問わず、協力し、解決に迎えると言うことは、インターネット社会の利点の一つかと思う。
ウィニー問題で情報漏えい問題が起き、インターネット社会の問題点が指摘されているが、今回のことは大いに歓迎すべき事例であろう。

解読できたメッセージ (M4プロジェクトのページ)

解読できた2通目のメッセージ (M4プロジェクトのページ)

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