海外の暗号小説
第29話 インダス文字は文字ではない H18.4.16
古代文字は、一種の暗号である。例えば、エジプトで発見されたロゼッタストーンのヒエログリフ、メソポタミアの楔形文字、日本の古代文字等、現代に生きる人間にとって正に暗号であり、研究者の中にはその解読に一生を捧げる人もいる。

これは、「2005.12.12:読売新聞」に掲載された記事で、古代オリエント博物館研究部長・イラン、中央アジア考古学:堀 晄(ほり あきら)氏による仮説である。

堀氏の仮説は、「〈オリエンテ〉31号、古代オリエント博物館」に発表したもので、「インダス文字は普通の言葉を表す文字ではなく、ヨガを通じて悟りを得ようとする苦行者〈行者)が、一般市民に信仰のよりどころとして与えた呪文であり、言語学による解読の対象にはなり得ない」と言うものであり、反論は全くと言ってないそうである。
この仮説に反論するには、解読して結果を示す以外にないが、発見から85年、今のところ解読はなされていない。

・1920年、インドの農民がハラッパーで古代の印章を発見、インダス文明発見の端緒となる。
・モヘンジョ・ダロの発掘が始まり、古代都市文明が明らかにされた。印章に刻まれた文字:インダス文明は、四大文明の1つの地位を占めた。
・南インドのドラビダ系の言葉、イラン高原の交易を担ったいたエラム人系の言葉等々の説があり、コンピューターを駆使しても、学会が納得する解読は皆無である。

・インダス文字の特徴:他の古代文字との比較
1 紀元前2600年から1900年ごろまで600年にわたり、変化もせず書きやすく、読みやすくする工夫がない。
2 約240文字のうち、27%は一度、52%は5回以下の出現しかない。辞書がなければ誰にも読めない文字体系。
3 インダス文化のあらゆる遺跡から文字銘を持つ印章が発見されており、文字の普及率が異常に高い。
4 インダス文字は、印章に関わる世界のみに見られる。(他は城砦の看板1枚のみ)

・この特徴から、他の古代文字と比較し、文字ではないと推測する以外にない。
・文字の刻まれた印章が普及していることが、誰もが文字を読めたと言うことではない。例えば、仏教の梵字、。

今後の研究による反論や、文字の解読を期待するものであるが、文字だろうが、呪文だろうが、現代人にとって解読の対象となる暗号であると言うことは言えるであろう。
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