海外の暗号小説
第31話 続々々:「ダ・ヴィンチ・コード」の凄さ H18.6.5
映画「ダ・ヴィンチ・コード」を5月26日、出張先の札幌で1800から観た。
かなり込んでいるかと思っていたら、3分の1程度しか客はいなかった。意外?
前評判、映画公開当日はかなり並んだと言うことだが、一段落ついたのか、あるいは金曜日とはえ平日だからなのかよく分からない。スクリーンが多すぎるのか?

映画そのものは、凄いと言う程でもなく、詰まらないという事でもない。
映画の長期・膨大な宣伝量、あるいは前評判からすると「それ程でもないかな」と言う感じ。

しかし、あの上・下2巻(単行本)、(文庫本は上・中・下)の量を2時間程度に収めるのだから無理な面もある。
キリスト教と言う宗教批判に繋がるので遠慮しながら(?)、作者の主張は生かさなくてはいけない矛盾。
勤めて本物の美術品・建造物を利用しての撮影等、各種制約の中での製作を考慮すればよく作ったと言うことか。
それはともかく、私としては、この小説に出てくる「暗号」のイメージが浮かんできたことが最大の収穫である。

次いで、6月3日、「六本木ヒルズ」で実施されている「ダ・ヴィンチ・コード展」に行ってきた。
映像をふんだんに使い、あるいは模造品を展示して「ダ・ヴィンチ・コード」を理解しやすいように展示してあった。しかし、どちらかと言うと、これも映画の宣伝の1種かなと言う感じだった。大事なところは省略してあり、「もっと知りたかったら、映画を観てください」というところか。
「最後の晩餐」の絵が、実物大で見れた(映像、解説付き)のは、私にとって最大の収穫。

「映画:ダ・ヴィンチ・コード」公開直後のマスコミ報道から

・世界56カ国で同時公開されるや否や、たった3日間で259億円以上の興行収入を得た。
「スターウォーズ・エピソード3」に次いで、歴代2位だと言う。
キリスト教保守派等は内容に反発し、ボイコット運動も起きている。カンヌ映画祭でも冷ややかな反応だった。

・初日に、米国:約33億円、仏:約2億円、伊:2億8千万円、日本:6億6千万円;約49万人。
 国内3002のスクリーンのうち、863スクリーンでの上映。

・宣伝費:20億円。目標:800万人動員、興行収入100億円。

・「タイトルの勝利。謎めいた世界との接点が多い万能のレオナルド・ダ・ヴィンチと、暗号を意味するコードと言う言葉の並び」(評論家:滝本誠氏)

・国内の本の販売:当初予想は15万部。しかし、単行本は230万部を売上、3月に発売された文庫本は2ヶ月で上・中・下の計で710万部だと言う。本は、「責任販売制」。(世界では、5000万部の大ベストセラー)

・金券ショップでの鑑賞券の販売も好調。1300円の定価から10円引きの1290円と高値で売れる。

・映画公開と同時に放映された「天才ダビンチ最大の謎と秘密の暗号(フジテレビ)」の視聴率が総合トップ:22.0%

監督:ロン・ハワードのコメント

・「興奮している。でも期待と同時に不安もある。観客がどんな反応をするのだろうかって」

・「古典的なスリラーの要素と未知なるものへの探求と言うテーマを、どう結びつけたらいいのか悩んだ」

・「小説に記述を土老い映像で見せるのか。クリプテックスのデザイン、中世のテンプル騎士団、200年前のエルサレムの様子等。映画を作ることが、僕にとっての壮大な旅だ。」

・「この映画が誰かを怒らせたとしても、それは理由のあることだし、そういう意見も歓迎する。だって世界は、意見や文化の多様性で成り立っているんだから。芸術的行為を制限したり、自由な対話を遮ったりするのは良いことではない。」

inserted by FC2 system