海外の暗号小説
第38話 韓国民主労働党スパイ事件 H19.2.4
 昨年(2006年)10月、北朝鮮のスパイの疑いがあり、韓国の民主化運動世代の計5人が、韓国の情報機関・国家情報院と検察当局により国家保安法違反容疑で逮捕された。

 逮捕された5人は、米市民権を持つ実業家(アニメ制作会社)チャン・ミンホと、この実業化が結成した秘密組織「一心会」の会員で、韓国の第3野党・民主労働党(現有議席9)の元中央委員イ・ジョンフン、同党副事務局長チェ・ギヨンら。いずれも韓国で民主化運動が活発だった80年代に活動家。90年代に30代で、80年代に大学生だった60年生まれの「386世代」と呼ばれる。

 「一心」は、北朝鮮の金正日総書記への忠誠心を意味すると言う。(これも一種の暗号)

 チャン容疑者は、89年に朝鮮労働党の工作機関・対外連絡部に協力者として取り込まれた。南北朝鮮と米国、中国を往来しながら機密情報を北朝鮮に流した疑いがもたれている。
 情報は、北京郊外のアジトで北朝鮮の工作機関・対外連絡部の副部長らに報告していた。
 韓国の自宅や事務所からは大量の暗号文書(報告書)や協力者の可能性のある人物のリストが発見された。
 北朝鮮の核実験後は、電子メールにより報告していたことも判明。

 具体的なことは現段階では公表されていないが、現代スパイの暗号活用の例としてあげても良いかと思う。新聞により「暗号で書かれた文書」、「隠語で書かれた文書」と違いがある。いずれにしろ、広義的には暗号事例であろう。
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