海外の暗号小説
第71話 「厚川昌男」氏逝去・・・・残念!! H21.2.15
厚川昌男氏と聞き、ご存知の方はどのくらいいるだろうか?

私の好きな推理小説作家の一人「泡坂妻夫」氏の本名である。
氏の本を最初に読んだ時、珍しい名前だな?泡坂なんて普通ではない、奇妙だなと感じた。
この中前は所謂アナグラム、本名の「あつかわまさお」を並び替えて「あわさかつまお」、即ち「泡坂妻夫」とペンネームを決めたという。
正に暗号作家だ!

残念ながら、2月3日、75歳で逝去された。

紋章上絵師(和服の家紋を描く職人)の家業を継ぐ傍ら、趣味で多くの捜索記述を発表。1976年、名探偵・亜愛一郎が活躍する「DL2号機事件」(幻影城新人賞佳作)を発表し作家活動へ。
奇術がテーマの「11枚のトランプ」、日本推理作家協会賞の「乱れからくり」、本そのものに仕掛けのある「しあわせの書」「生者と死者」等の読者を驚かせるようなミステリーを書いた。
88年に「折鶴」で泉鏡花文学賞、90年に「蔭桔梗」で直木賞を受賞している。

手品の腕前も一流で、推理作家協会設立50終焉のイベントでの文士劇で登場し、鮮やかなマジックを披露したという。
1968年には、マジックで第2回石田天海賞を受賞している。

ともかくあの奇想天外、普通の人が思いつかないような小説の新作はもう登場しないのかと思うと寂しいが、もう一度氏の著作を読み返し楽しむことにしよう。
尤も、全て読んでいるわけではないので、この機会に全作品の読破に挑戦するのも良いかもしれない。

是非、皆さんも泡坂氏の本をご愛読して下さい。本当に面白いですよ!!

本サイトで紹介している作品 は下記のとおりです。

 かげろう飛車
 斜光
 掘り出された童話
 弓形(ゆみなり)の月
 11枚のとらんぷ

「かげろう飛車」は、秘文字(3作品文を、暗号化した作品集)に暗号文の小説として掲載された。後に扶桑社文庫版「斜光」に初収録された。

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