海外の暗号小説
第81話 10年前の朝日新聞から「原爆投下 55年目の真日」 H21.8.10
広島、長崎に原爆が投下され、64年。今年も両市で原爆忌が実施された。
たまたま、過去の資料集を開いていると、1999年8月5日の朝日新聞記事が出てきた。「原爆投下55年目の真日」と言う記事。恐らくシリーズ物だったのであろう。
手元にあるのは「暗号解読・・・和平工作の動き 米に筒抜け」「落とす必要なかった」と言う見出しの記事。

・ 日米開戦から1年以上前の1940年9月、ワシントンの陸軍ビル、米陸軍信号情報隊(SIS)で、20台の女性兵士・ジュヌビエーブ・グローシャンが、日本の暗号解読の突破口を見つけた。
 SIS幹部のフランク・ローレット氏は、昨年暮れ(1998年か)に出した自伝で、日本外交暗号の複雑な仕組みを破った瞬間を描いている。一昔前に出そうと思ったが、当局に反対されたと延べ、出版の半年前に死去した。

・ 終戦間際の和平工作をめぐる東京とモスクワの日本大使館との激しいやり取りが、米国立公文書館にある。パープルも臓器で解読した文書の一部だ。・・・・マジック

・ 対日諜報主任官ザカライアス海軍大佐は1945年5月9日、サンフランシスコから「大統領の公式代理人として」短波放送を開始した。市民は短波を聴くことは禁じられていたので、指導者向けだ。
  7月21日には、「無条件降伏の場合には大西洋憲章に定める利益を享受できる。・・・天皇制を保持できることの示唆」も入っていた。「マジック」によればその4日後、東郷外相は肯定的な電文を駐ソ連大使に送っている。が、・・・
 ザカライアス放送は8月4日、14回目を限りに打ち切られた。トルーマン大統領が原爆投下を決定し、日本は無条件降伏を拒否したから。

・ 戦後、ザカライアス氏は「日本は降伏する用意があった。原爆は落とす必要はなかった」と述べている。

* トルーマン大統領が原爆投下を決意したのは、「日本本土に対する攻撃による米軍被害を抑えるため」と言う説があるが、「早く日本を降伏させないと、ソ連が日本に侵攻し、一部を占領される恐れがある、最悪日本の共産化も有りうる」ためと言う説もある。

いずれにしろ、虚しい戦争により、広島、長崎に原爆が投下され、多くの方々が被害を受けたことの事実は隠しようもない。米軍による日本本土空襲もそうだが、一般市民に対する無差別攻撃は米軍が始めたのではなかろうか!

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