海外の暗号小説
第89話 解読せよ暗号AF  (朝日新聞から) H20.9.14
朝日新聞の特派員メモから ◆ワシントン (8月18日だったと思う)

「解読せよ暗号AF」という件名が目につき、瞬間頭に浮かんだのは、大東亜戦争におけるミッドウェー作戦における米軍の暗号解読だった。

* ミッドウェー海戦において、米軍は日本海軍の暗号を解読していた。解読した暗号の中の[AF]の意味(場所)が、不明である。(概ね解読はしていたが、確信を持てなかった)そこで、ミッドウェー島の水が不足しているとの電報を平文で発信し、日本海軍の反応を見た。日本海軍は、見事にその平文電報に飛びつき、ミッドウェー島が水不足の電報を打つ。それにより、作戦目標がミッドウェー島であることが米軍に知られることになった。

何か新事実が出たのかと、期待して読む。

しかし、内容は外交官車両のナンバープレートのことだった。
例の美人スパイ・チャップマン事件の後始末の「スパイ交換」がった時期である。
特派員の目からも、ワシントンはスパイ活動は盛んに見えるらしい。この特派員の通勤ルートには、CIAがあり、元CIA職員が運営する国際スパイ博物館があり、人気があるという。
今回のスパイは民間人を装っていたが、外交官のふりをしていることも多いという。そこで、外交官車両のナンバープレートを見ると「ひょっとして」と思うという。
外交官プレートには、国務省が決めた国名を表すアルファベット2文字の暗号(略号)がついている。無用な類推を避けるためか、国名を類推しにくくなっている。
たとえば、ロシアは「RU」ではなく「YR」、北朝鮮は「NK」ではなく「CQ」
「スパイの疑いの車両をFBIに通報しよう」という「解読表」が1ドルで売られている。
日本は「
AF」・・・これが主題の略号・・・アフガニスタンと勘違いされ、同時多発テロの直後に外交官が投石に遭ったこともあるという。
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