海外の暗号小説
第97話 DNA分析で古文書の起源を解明できるのか? H23.1.18
DNAの解読は進み、DNAの活用分野もかなり広まってきている。
では、DNA分析は万能なのか?どこまで分析出るのだろうか?

古文書、中世時代の文書の制作年代と制作場所を特定するには、今までは文書を作成した筆記者の筆跡や方言を分析して特定していたという。しかし、この方法ではあまり厳密ではなく、年代が半世紀ずれることも珍しくないという。

そこで、DNA分析を利用する研究が始まった。ヨーロッパでは、紙が登場する前は子牛、子ヒツジ、山羊などの皮を加工処理した「羊皮紙」を使用して文書を作った。そこでDNA分析のアイデアが登場した。

*ページに含まれる動物のDNAは変化していないので有益な情報を保持しているのではないか?
*表面では遺伝情報の劣化が激しく検出可能かどうか?数世紀にわたり多くの人々や動物が触れており、不純物が多いのではないか?
*汚れていない中心層を調査するとなれば、要旨を傷つけることになる。
*過去においては、ネズミのDNAだったという失敗例もあるそうだ。
*相当のデータがないと簡単には決めつけられないのは?

等々の疑問点、懐疑点はあるが、否定的なことばかり言っていては進歩がないし、夢がない。

米国のノースカロライナ州立大学のスティンソン氏が、積極的にこのDNA分析を研究しているという。古文書に傷をつけても良いように、自ら古文書を購入し、生物学者である弟の協力を得て、まずまずの成果を上げているらしい。
研究のための資金も相当必要らしい。

資金協力者の一人、チョウドリー氏は「文書の表面を眺めるだけではなく、その下に埋もれているものを見つけることが必要なのだ」と述べ、スティンソン兄弟をバックアップしている。
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