海外の暗号小説
第99話 阿川 弘之氏、「錨をおろして」 H23.3.2
産経新聞の「話の肖像画」、2月15〜16日に、作家・阿川弘之氏が紹介された。

氏は、東京帝国大学卒業後、海軍にはいり中国で終戦を迎えた。
多くの作品の中で、海軍時代の経験をもとに、旧海軍を中心に「暗号」、「暗号解読」について記述されており、暗号に興味を持つ小生にとって、良き作家のお一人でした。
氏は、90歳を迎え、昨年(平成22年)9月、文藝春秋の「擱筆の記」で読者に別れを告げたという。これは同誌に13年間書き続けてきた随筆も最後の作品である。

「錨をおろして」の概要紹介

* 「錨をおろして」という標題が氏のお人柄、経歴を物語っている。

* 氏は、18年8月少尉任官。海軍軍令部に配属され、中国の通信傍受(暗号解読)を担当。
  19年から中国に渡り、21年3月復員。最終階級は大尉。
* 特技に「支那(中国)語」と書いた。英語に比べて支那語ができる人が少なかったから中国関係の情報部門に回された。
  最後は、上海から漢口に。空襲は受けたが戦場にはならなかった。
*通信を専攻したのも、暗号士になるのが戦艦や航空母艦に乗せてもらう早道と聞いたので希望。

*提督3部作は偶然の賜物・・・「山本五十六」、「米内光政」「井上成美」
 ・軍国主義を嫌ったリベラリスト。

*小泉進二郎のインタビューが非常に面白かった。
 ・1年生議員だから政治的問題で勉強するべきことはあるだろうが、日本語の勉強を優先させるってのはちょっと変ってるし、大変見識だと思った。国語を大事にしようと言う政治家はあまりいない。
 ・・・お笑いタレントが使っているような目茶苦茶な言葉で子女の家庭教育をやるのは良くない。

◎平成11年、文化勲章受章
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