作品名 |
暗号の数理 (改訂新版) (作り方と解読の原理) |
著者名 |
一松 信 |
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発行日:2005.9.20
出版社:講談社
形式:新書(ブルーバックス) |
目次
第1章 秘密通信と暗号
第2章 暗号の種類
第3章 慣用の暗号体系
第4章 公開鍵暗号の原理
第5章 公開鍵暗号の現状
第6章 量子暗号の展望
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概要 |
古代ローマに生まれた「シーザー暗号」から、IT時代のセキュリティを支える暗号技術までを、親しみやすい秘話を交えながら丁寧に解説。エドガー・アラン・ポーでも解けなかった暗号の解法は?“美しいが役立たず”だった整数論が突然“軍事機密”と化した天才的着想「公開鍵暗号」のしくみとは?
改訂の内容
第4章までは、旧版の部分修正・・・第2章に「トリストの暗号」と「ビールの暗号」を追加
第5章:後半部分、全面的に見直した新規書き下ろし。
第6章:新規書下ろしで追加
目次の細部
第1章 秘密通信と暗号
・秘密通信 ・暗号以外の秘密通信 ・隠語 ・暗号の定義 ・情報伝達の変遷 ・電気通信の他の側面 ・暗号小史 ・せんさくの鬼 ・チューリングとコロッサス ・二度の世界大戦の裏話
第2章 暗号の種類
・暗号に関する用語 ・暗号の種類 ・転置式暗号 ・挿入式暗号 ・陰字詩 ・空白の処理 ・トリストの暗号 ・ビールの暗号 ・単文字換字暗号 ・ ウガリット文書の解読 ・ アナログ的な暗号 ・ 暗号辞書
第3章 慣用の暗号体系
・ 多表式暗号への道 ・多表式暗号の解読例 ・同語反復 ・エニグマ暗号 ・エニグマ暗号の解読 ・乱数とは? ・乱数の定義 ・擬似乱数列とそのくせ ・人間乱数 ・慣用の暗号体系の欠点
第4章 公開鍵暗号の原理
・公開鍵暗号と言う言葉と原理 ・公開鍵暗号の副利点(1)船頭多くして ・公開鍵暗号の副利点(2)文書の正当性の問題 ・偽造不可能な署名 ・計算量の理論 ・P問題とNP問題 ・P≠NP問題 ・一方通行関数と落とし度関数 ・詰め込み問題による暗号
第5章 公開鍵暗号の現状
・公開鍵暗号の実用化 ・時計代数 ・互除法 ・有限体 ・フェルマーの小定理 ・離散対数 ・エルガマル暗号 ・RSA暗号の原理 ・素数判定法 ・指数の逆数の計算法 ・素因数分解に関する平方篩の方法 ・複数多項式によるデータ収集 ・電話でジャンケン ・楕円曲線による暗号 ・公開鍵暗号の実例
第6章 量子暗号の展望
・量子暗号とは ・量子秘密通信の着想 ・量子秘密通信の実例 ・BB84の実験 ・量子コンピュータの起源 ・量子チューリング機械 ・ショアの算法 ・結び
*旧版:暗号の数理 |
一松 信(ヒトツマツ シン)
1926年、東京に生まれる。東大理学部数学科卒。東大助教授、立教大教授、京大教授、東京電機大学教授を経て、京大名誉教授。理博。専攻は数学、とくに数値解析。暗号とのかかわりあいは、太平洋戦争末期の学徒動員に始まり、その後、計算機と整数論との関連で公開鍵暗号に深い関心をもつようになった。海外との交流をはじめ、数学の啓蒙活動にも熱心で、専門家向け・一般向けを問わず著訳書も多い |