暗号理論
[キ行 作品]
作品名 記号人間   伝達の技術
著者名 佐藤 信夫
発行日:1977.3.1
出版社:大修館書店
形式:46判
目次
記号にかこまれて生きる
暗号解読としての認識
コミュニケーションをめざして
切り分けと差異論
記号過程をめぐって
記号の媒体と次元
意味の読み取りとコノテーション
記号とうそ
レトリック現象
無限の事態あるいは限界

概要
 前半は月間「言語」に「記号人間=ホモ・シグニフィカンス」として連載したもの。記号学への案内をという編集部からの指示を考慮、案内転じて記号論の一部の地帯を勝手にうろつきまわった。
 本書で書きたかったことは、記号―言語―のダイナミクスとしてのレトリックの復権ということ。
 記号論としてのレトリック、と言ってもいい。
 純粋の論理学や数学は別として、私たちの人間的思考の中で永年「論理」というあだ名で呼ばれていたものの本名が実は「レトリック」であったということ。
(「あとがき」から)
要旨
「暗号解読としての認識」
 * 事物が発揮する意味
  ・ステーキは舌の上にのせられる直前までは「記号」。食べる肉体的行為の瞬間、記号からステーキという現物に。
 * 自己比喩としての「記号性」
  ・探偵を「イヌ」と呼ぶのは、勿論探偵が4本足でないのを承知の上で、その「イヌ」性に注目
 * 多様な記号性
  ・オセロにとってハンカチーフは「妻の浮気を意味する記号」
  ・元来、ハンカチは無意味な記号以前の物体である。

 * 自然という「この書物は数学的記号で書かれている」と言ったのはガリレオ・ガリレイ。
  ・人間の住む世界のかなりの部分は、むしろ辞書のない暗号で書かれているのだ。

☆ この本が暗号理論に通じるものかどうか不明。
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