暗号理論
[リ行 作品]
作品名 量子暗号通信 実運用へ    (「日経サイエンス2011.01」所収)
著者名 古田 彩
発行日:2011.1.1
出版社:日経サイエンス社
形式:雑誌(A4)
目次
「なし」

概要
★東京ネットワーク始動:
 量子力学の不思議な性質を使って通信の秘密を守る「量子暗号」の高速通信網が始動した。実社会での利用が進むか否か、今が正念場だ。

*実力を試される量子暗号通信
 ・ 量子暗号通信で動画が送れる「東京QKDネットワーク」の長距離試験運用が始まった。
   政府の機密通信を伝送できる量子通信網の構築が狙いだ。
 ・ 物理法則で秘密を守る量子暗号は、コンピューターがいくら進歩しても破れない。
   ここ数年で通信速度は著しく向上したが、通信距離を大きく延ばすのは難しい。利用がどう進むかは未知数だ。
 ・ 最近話題になっている「サイドチャネル攻撃」への防御など、量子だからこそ出来ることもある。

*東京QKDネットワーク
 ・小金井市の情報通信研究機構と、NTT、三菱電機、NECの共同研究チームがネットを構築し、運用。
 ・小金井、白山、大手町、本郷の4地点を結ぶ光ファイバーに、量子通信装置を組み込んだ。
 ・ネットで配信した暗号鍵をダウンロードして通信するスマートフォン用のソフトも開発した。

*量子暗号は必要か?
 ・ 最大の強みは、将来にわたって解読される恐れがない。
 ・ 致命的な欠陥:伝送距離を延ばせない。・・200Km低度が限界か。
 ・ 二つの方向性
  @政府の機密通信のような、最高レベルの安全性が必要な重要に応えること。
  A安全性はあきらめて、通信速度をあげること
 ・ RSA暗号の発明者:シャミア・・・ディスクなどに記録した鍵を直接手渡す方が有利ではないか?

* 量子暗号は今のところ、使い勝手では従来の暗号には到底及ばない。どのくらい需要があるかも定かでない。
  量子暗号の実運用から、通信の概念を変えるような発見が生まれるかもしれない。
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