暗号戦史
「ア行 作品」
作品名 暗号名グリフィン    (THE GRIFFIN)
著者名 アーノルド・クラミッシュ    (Arnold Kramish)   (訳:新庄哲夫)
発行日:H4.6.25
出版社:新潮社
形式:文庫
目次
「なし」
 
ストーリーの概要
 第二次大戦初期、情報活動史上名高い「オスロ・リポート」がイギリスに届き、ドイツの戦争遂行計画の詳細が暴露された。
 さらに新兵器ロケットの情報が、核兵器開発の進捗状況が…。
 情報発信者の名はパウル・ロスバウト、暗号名「グリフィン」。
 金や名声のためでなく、すべてはナチズムに対する炎のような憎悪によってなされた。
 これは初めて明かされる、知られざる英雄の物語である。

実質的な目次
プロローグ           第1章 古都グラーツ      第2章 有為転変      第3章 最初の接触
第4章 "父親"づくり     第5章 私生活          第6章 V・M         第7章 空気のような男 
第8章 ソ連人カピーツァ  第9章 亡命者たち      第10章 核分裂の産婆役  第11章 スタートラインに立つ
第12章 ベック博士の書いた本   第13章 機密文書「オスロ・リポート」    第14章 リポート作成者の正体は?
第15章 私が下した結論  第16章 撤退       第17章 重水回収作戦    第18章 暗号名「セオドア」の誕生
第19章 グリフィンの森   第20章 暗号名「シグルト」  第21章 ボーア訪問事件   第22章 オスロ再訪
第23章 V・M、脱出す    第24章 「家は丘の上に建つ」   第25章 フレンチ・コネクション
第26章 核情報はアメリカに流すな  第27章 「ジュース」破壊作戦   第28章 将軍、介入す
第29章 「脱浸透」作戦  第30章 影の男「ニコラス・ベーカー」   第31章 「二重スパイ化」作戦
第32章 あの手この手で   第33章 虐げられし者の涙   第34章 暗号の暗号   第35章 勝利のあとに
第36章 ファーム・ホールの密議   エピローグ
暗号について
第13章 機密文書「オスロ・リポート」
 ・事前連絡手段:BBC放送で前口上を合言葉「今晩は、こちらはロンドンです。」
第15章 私が下した結論
 ・ウィンターボーザム:ドイツの暗号傍受、解読の「ウルトラ」に係わっていた。
第16章 撤退
 ・ドイツ侵攻時の大使館での暗号書の処理等
 ・書籍暗号の使用・・・「胡麻と百合」・・・担当者のフォーリーはノルウェー政府から勲章授与
第17章 重水回収作戦
 ・暗号電報の最後の3語「モード・レイ・ケント」・・・「RADIUM TAKEN」のアナグラム?
第18章 暗号名「セオドア」の誕生
 ・チャーチルは毎朝、エニグマの解読暗号通信に目を通した
第19章 グリフィンの森
 ・ドイツ向けコードナンバーの頭には「12」がつく。
第20章 暗号名「シグルト」
 ・「ウルトラ」暗号傍受1712号:小型戦艦の情報
第21章 ボーア訪問事件
 ・ハンスとパウル兄弟の暗号
第24章 「家は丘の上に建つ」
 ・グリフィンとシグルトの連絡暗号:「家は丘の上に建つ」
  「家にはドア二つ、窓が五つ、煙突が七本」→全快の報告の2,5,7に関して更に情報収集
第25章 フレンチ・コネクション
 ・工作員の暗号名は動物
第34章 暗号の暗号
 ・書籍暗号:ある本の書名、著者、発行年
 ・本のページ指定、特定の段落の出だし語が暗号。その単語が別の単語と連結
 ・初版本は変更できないが、増刷分は加筆し、秘密情報を組み込んだ
 ・込み入った暗号だが、敵に渡っても解読されない複雑性

* その他、処々に暗号の使用について触れているが、「暗号の暗号」が詳細に記述されている。
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