暗号戦史
「チ行 作品」
作品名 諜報三万里の中に躍る暗号戦
著者名 稲森 利助
発行日:S48.2
出版社:自費出版(非売品)
形式:B5
目次
1 関東軍蒙古謀略と暗号戦
2 長城攻防戦と暗号戦
3 宣昌大作戦と暗号戦
むすび
ストーリーの概要
 筆者は陸士、参謀本部で1年間中国暗号解読、諜報を学ぶ。
 戦時中は満州事変から中国との戦い、太平洋の戦いを経て終戦にいたる10ヶ年あまり中国大陸に立ち続け諜報戦に明け暮れる。
 諜報戦は日華事変によって従来と一変して暗号諜報が作戦情報収集の主体に変わる。
 「十幾年間中国大陸の山河に立ち続け諜報から諜報へと3万里の足跡をきざんで奇跡的な運命をたどったことと青壮の頃から老廃の今日まで50年あまり中国を探り続けていることは、中国の裏側に隠れた姿をつかむ指針を作ってくれる。」
暗号について
事例が3点記述されているが、その内容、いかにして解読したか等はない。解読の結果が作戦に及ぼした影響が主。
1 関東軍蒙古謀略と暗号戦
 ・田中隆吉中佐の対蒙古作戦の謀略。蒙古軍は李守信を総司令官として反攻。関東軍は、王英軍の敗北と金甲山軍の寝返りでピンチ
 ・怪電波をキャッチ。これを解読すると「張学良と楊虎城が蒋介石を監禁する」世紀の西安大事件だ。思いがけない情報に田中機関長のところに駆けつける。田中機関長の電光石火の処置により形勢逆転

2 長城攻防戦と暗号戦
 ・昭和12年8月、関東軍は湯恩伯軍に対する総攻撃開始
 ・23日夕、湯軍の総退却の暗号電報を入手、解読して兵団長に急報。兵団長歓喜す。

3 宣昌大作戦と暗号戦
 ・昭和15年5〜7月、呂集団は宣昌作戦開始。
 ・中国軍は、暗号の防諜運用を誤り、過失の連続。中国暗号を完全に支配。
 ・2ヶ月間で集団軍以上の作戦命令だけでも百数十通解読。中国軍54ヶ師団の動向おは手に取るように判明。
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